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きみはごめんを言わせてくれない

2人きりで会う約束だったのに段取りミスって3人になっちゃった時とか、お泊まりができなくなっちゃった時とか、きみはよくだまって帰った。

ちょっとコンビニ行って帰ってきたら部屋がもぬけの殻だったりして、ごめんも埋め合わせするねも言わせてくれない。

あとからLINEで「さっきはごめん」って送るんだけど、きみは絶対スルーするよね。
そして何事もなかったように次の会話をはじめてしまう。

でも、わたしはきみのそういうところがずっと好きで、だから5年も友人をやっているのだと思う。

だって「ごめん」って言われたら、「いいよ」っていうしかないもの。

いいよって言ってもらえれば、それでわたしは満足だろう。
でもきみには、その日のために楽しみにしてた気持ちとか、調整した予定とかがあって、その心は謝罪の一言で相殺されたりしない。
いいよ、と言って、修復されない心がつのるのは虚しい。

わたしが謝ってしまう前に帰るのも、わたしの謝罪をなかったことにするのも、それはすべてきみの誇りを守るためで、だからそれはそうあるべきだといつも思う。

優しさや寛容さに甘えて、時々甘えすぎて、きみの純粋な期待や楽しみを踏みにじってしまうわたしは、せいぜいもやもやしておけばいいのだ。

きみはきみの悲しさをちゃんと労わってやっている。なかったことにして、無理やり納得することもない。そういうきみの、ちゃんとしているところが好きだ。

なるべく悲しませないように頑張るので、6年目も仲良くしてくれると嬉しいです。
ずっと誇り高くいろ。

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