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12月1日(金)

プロモーションが上手いことだけが正義として一人歩きをしている。真実かどうかとか、優しさがどうだとか、そういう不器用な悩み事はぜんぶなかったことにされてしまって、真珠みたいな球体だけが浜辺できらきらと光っている。無遠慮に踏み込んでくる貴方の足の裏にちょっとの傷を負わせるくらいには、わたし、鋭いつもりでいます。柔らかくて角のないところだけを愛でているから、皮膚がどんどん薄くなる。お腹をこちらに向けて転がる犬みたいに厚かましい信頼で、やがてあなたは臓器までをも無防備に曝け出すのだろう。あなたが単なるてらてらひかる臓物になったとき、わたしは本当の意味であなたを愛してあげられると思う。

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