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8月12日(土)

一編の詩を、なんども読むように、あなたの言葉を反芻する。弁解の余地があることだけが生きている人間の大きな特権で、それなのにここはこんなにも仄暗い。伝えたかった愛情の音階が、ひとつ、ふたつ、ずれるたびに、あなたは耳を塞ぎたくなるでしょう。あなたの身体はすでに、脈動を失ってしまって、つめたく、かたい。大きな広場に飾られる大きいだけの銅像になって、威厳と信念とが、ときどき反射して光るだけだ。テクストにもなれず、読まれず、受け取られないあなたの心情がいつか、真摯な読み手によって紐解かれますように。

わたしは誰かに、わたしのことを諦めてほしくないと思う。だからわたしも、あなたを諦めない。

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