詩|「反抗鬼」

僕は、小さい時の地下道をひたひた歩いている

日が当たらないから、コンクリートはひんやりと冷たい

左足に溜め込んでおいた血が、右足にどんどん吸い込まれていく

たしかに、痛い

まるでいびつな平均台を上っているみたいだ

向こう側から下りてきた一人が僕に呼びかける

…まだやるの?

同じものが、僕のドアを数回ノックする

ここの作りがそうなっているからだ

…まだやらなければならないの?

僕はキャッチしたものを変形させて頼りなく放り返す

ごと、と鈍い音がした

それでも、僕の帰り道は、まだずっと続く

2021/1/8

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