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「〇〇の日」をPR活用するときに忘れてはいけないコト

はじめに

SNSの投稿や、プレスリリースの見出しでも多用される、「今日は〇〇の日」には、大別すると4つの分類があると考えています。

今回は、その分類について考察をしながら、どういった使い方をしていけばよいか、個人的な解釈をもとに解説してみます。

まず、大きな4つの分類をこのように整理してみました。↓

  1. パブリック・リレーションズ(PR)型

  2. プロモーション型

  3. ハイブリッド型

  4. ネタ・ダジャレ型

上記のような性質を持った型の「〇〇の日」があり、それぞれ文脈を無視した使い方をしてしまうと、そもそも何でそのタイミングに情報発信したの?と、失敗する確率が高くなるという話です。

ひとつひとつ解説していきます。

1.パブリック・リレーションズ(PR)型

例えば、国際女性デー、国際人種差別撤廃デー、カミングアウトデーのようにグローバル規模の社会運動やムーブメントなどがこの型に含まれます。社会を良くする方向へエンパワーメントをしていこう!という大きな力が働く特別な日として、その存在自体がパブリック・リレーションズの思想と密接にリンクします。

さらに、日本国憲法制定の日(=文化の日)、関東大震災が起きた日(=防災の日)のように、国レベルの事象が起源となり、それを再認識しよう、意識を高めようとするものも、その多くがPR的です。

この文脈で用いられる「〇〇の日」は「手段」や「表現」の一部として”消費”されることは許されず、そのまま「目的」や「企画」になることが多い傾向です。

Twitterのカレンダーで気楽に投稿し、本来の意図と間違った用法などをしてしまうことで、炎上することすらありますが、真剣に取り組む企業は信頼され、愛されることもあります。

海外のクリエイティブフェスティバルで受賞する企画は、この領域の特別な日を盛り上げるものが多いのも、また事実です。

2.プロモーション型

ジェラートの日、即席ラーメン記念日など、企業や業界団体が主体となって制定された日は、記念日をキッカケとしたプロモーションに発展することが多いです。

この日自体に社会視点は薄く、どうしても自社視点が強くなるため、ニュース性という意味ではかなり乏しいです。

ただ、記念日制定をした事実をプロモーションのネタとして対外的に発信したり、記念日を全社で盛り上げよう!というような、インターナルコミュニケーションを目的としたPRとしての用法も存在します。

3.ハイブリッド型

例外として、バレンタインデーや土用の丑の日、母の日やブラックフライデーなど、もとはプロモーションだったものがムーブメントになり、いつしか社会性をまとった事例もあります。

ムーブメントを作り、人が集まる構造を作り、商業的に成功まで持っていく。いま同じようなことをゼロから立ち上げようとすれば、たちまち叩かれてしまうようなことが、ある種当たり前に成立したように感じます。

おそらく、制定当時の時代背景や、それが長らく世間に定着していくまでのプロセスがそうさせているのですが、それぞれの日の根本にあるのが他人への感謝や思いを伝える、還元するのような文脈が強いため、PR的な文脈として息長く定着したのではないだろうか。とも思います。

4. ネタ・ダジャレ型

6月24日はアメリカではじめてUFOが発見されたUFOの日、8月19日は俳句の日、6月9日はロックの日のような、ネタ・ダジャレ起点の記念日は、PR企画やプロモーションを色付ける枝葉の「表現」の部分で使われることが多い印象です。それ自体に意味性は薄く、ブランドとは表面的な接続しかなされないことは意識する必要がありそうです。

ネタ・ダジャレ起点の日なのに、それをPR企画として振り回してしまうと薄っぺらい企画になるし、プロモーション起点のものとしてコアにして注意を引けば引くほど、一方向の荒唐無稽なメッセージにしかならないかもしれません。

ソーシャルメディアの暇ネタくらいにはちょうどいい塩梅のようにも思います。

まとめ

「今日は〇〇の日」というモーメントを意識するのはPRの古典手法ですが、そもそもその日が制定されている背景を忘れずに、押さえておかなければいけない要点を押さえて、俯瞰と精緻を織り交ぜながらプランニングするのが良さそうです。

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