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【日本建築史】如庵(じょあん)

前回からの続きです.
今回は千利休の弟子,織田有楽斎が建てた国宝茶室「如庵」について解説します.平成27年の一級建築士「学科」試験問題としても出題されています.


【計画科目/問題コード27023】
如庵(犬山市)は,17世紀にもと建仁寺内に造立された,大小五つの窓や躙口(にじりぐち)の配置が特徴的な茶室である.

【解説】
「如庵(江戸時代前期,京都市,織田有楽斎作)」はもと建仁寺内に織田有楽斎が再興した茶室であって,元和3年(1617)ころの建立.

空間構成については,↓の解説が超絶わかりやすいです.

2畳半台目(だいめ)の茶席で,床脇に三角の地板を入れ,中柱を特別な位置に立て,点前畳(=点前(てまえ)のある台目畳)を中心とする炉脇を広くし,袖壁に花頭口をあけている点などが特徴的である.現在は,愛知県犬山市に移築されている.

尚,平成16年の学科試験には,↓の平面図も出題されていますので,併せて知っておきましょう.ザックリでいいので.茶道口の奥にある水屋とは,点前(てまえ)をするための準備室のようなものです.客人たちは,躙口(にじりくち)から出入りします.

個人的には,半畳が敷かれた余白のような間(ま)が好きです.千利休の待庵は,全体で2畳の空間しかなく(=1畳台目),究極までに余計なモノをそぎ落としているため,息苦しさを感じてしまう.このちょっとした間が,亭主と客人と繋がりを心地よく引き立てているように思います.亭主の台目畳,客人たちの畳,そして,間として半畳の結節点に中柱が経ち,そこに炉が切られている平面構成と,その中柱にとりつく袖壁にうがたれた花頭口による光の立体構成がツナガリの美しさを無限に引き出していきます.Youtube動画は↓.

【解答】〇
 続く


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