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【日本建築史】桂離宮の笑意軒(しょういけん)

前回からの続きです.

桂離宮には,3つの書院(古書院,中書院,新御殿)の他,4つの茶屋(茶室)があります.その茶屋の一つに笑意軒(しょういけん)があります.「笑意軒」については,平成27年の一級建築士学科試験問題に出題されています.

【計画科目/問題コード27022】
密庵(京都市)は,17世紀に桂離宮の敷地南端に造立された,茅葺寄棟屋根や深い土庇等の農家風の外観をもつ格式にこだわらない自由な造形の茶室である.

【解説】
「密庵(江戸時代前期,京都市,茶室,小堀遠州作)」は,龍光院(大徳寺の塔頭)の茶室であり.にじり口ではなく貴人口(ふすま口)となっており,棚と2つの床が設けられた四畳半大目の書院茶室の代表格である.コチラ.「如庵」,「待庵」と並び,3つの国宝の茶室のうちの1つである.問題文は「桂離宮の笑意軒」の記述のため誤り.

【解答】×

桂離宮は桂川のほとりに建つ.桂地方は古来,月の名所として知られ,月を信仰する土地柄でもあった.そのため,月を強く意識して建築されており,観月(かんげつ)のための月見台浮月の手水鉢などの他,月の字の引手月の字崩しの欄間などがデザインされている.まさに,月の建築といえよう.
続く


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