【西洋建築史】交差ヴォールトって何?(ロマネスク様式)
前回からの続きです.
新問題対策として,次の知識を知っておいてください.
【解説】
ロマネスク様式は,「バシリカ式の木造で平らな天井を,火災にも強く,重厚感のあるアーチ状の石造に変えたい!」という熱望から進化していった.アーチ状の天井の方が,神の国を体現したい教会堂空間として,天に向って上昇していくような空間的演出効果を期待でき,木造に比べ音響性能も高められるからだ.
そうやって,断面がかまぼこ型の半円アーチの屋根による半円筒ヴォールト(穹窿/きゅうりゅう)が誕生し,それがさらに発展し,交差ヴォールトが発明される.
分かりやすいYouTube動画の解説は↓
交差ヴォールトの発明により,屋根荷重をヴォールトの足元から柱頭→柱へと力を流せるようになり,壁には屋根荷重が流れなくなったため,壁の厚みを薄くできるようになり,かつ,大きな窓を設けられるようになった.
尚,アーチの場合,アーチの足元部分は,自重により外側に向かって,水平に開こうとする力(=スラスト)が発生する.この時,アーチの高さ部分(=ライズ)を高くすればするほど,スラストを小さくできるという話も知っておきましょう.ここから,次の時代のゴシック建築における尖塔(とっとう)アーチが発明されます.ローマ時代から半円のこだわりを捨て,アーチをとんがらせていきます.スラストやライズについての分かりやすいYouTube動画の解説は↓
【解答】◯ 続く
以上
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