【日本建築史】日光東照宮
前回からの続きです.
宇佐神宮の八幡造りが発展して,権現造りが登場します.八幡造りの場合,手前が前殿(ぜんでん),後方が後殿(こうでん)で,屋根は切妻造りで平入り.前後に並ぶ社殿の屋根が接し,谷となる部分に陸樋と呼ばれる樋(とい)を設けます.
八幡造りの代表作は,大分県宇佐市にある宇佐神宮となります.全国にある八幡宮(八幡神社)の総本社(そうほんじゃ/祭神の根源とされる神社)です.
この八幡造りが発展して,権現造りが登場します.どちらも前後に建物が並ぶ形ですが,権現造りの場合は,屋根が入母屋となり,威厳があります.コチラ.
権現造りの代表作は,日光東照宮です.「日光東照宮」については,平成26年,平成18年の一級建築士「学科」試験にも出題されています.
平成26年の一級建築士「学科」試験問題に出題された知識です.
【計画科目/問題コード26021】
日光東照宮社殿(栃木県)は,本殿と拝殿との間を石の間でつないだ権現造りの例である.
【解説】
「日光東照宮(1635年江戸時代,栃木県日光市,霊廟)」は,家康を祭神として創建され,当時の美術工芸の最高技術を結集し,建築されています.本殿と拝殿との間を石の間でつなぐ「権現造り」の形式をもちます.
【解答】〇
【計画科目/問題コード18255】
「権現造り」とは,拝殿と本殿を相の間で連結し,拝殿と本殿は入母屋造りのものが多く,相の間の屋根は両下りである形式である.
【解説】
権現造り(江戸時代)は,拝殿と本殿を相の間で連結し,拝殿と本殿は入母屋造りのものが多く,相の間(石の間)の屋根は両下りである.
【解答】〇
権現造りの拝殿と本殿をつなぐ相の間(石の間)部分は,床レベルが下がっていることも特徴の一つです.↓画像は,南禅寺の塔頭(たっちゅう/大寺院の境内にある小寺院)の1つである金地院東照宮(権現造り).後方(画像向かって右側)にある本殿の床レベルが最も高くなります.
平成20年の二級建築士「学科」試験問題では,次の知識が出題されています.
【問題】
日光東照宮(栃木県)は,本殿と拝殿とを石の間で繋ぐ権現造りの形式による霊廟建築であり,江戸時代に建てられた建築物である.
【解説】
霊廟(れいびょう)建築とは,死者の霊を祀る建築のことで,日光東照宮は,江戸幕府を開いた徳川家康を祀っている.問題文の記述は正しい.
【解答】〇
続く
鎌倉時代ついてはコチラ.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?