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【学科】棚倉町立社川小学校

前回からの続きです.


平成18年の一級建築士「学科」試験に出題された知識です.

【計画問題コード18123】正しい記述かどうか?
「目黒区立宮前小学校」(東京都,1985年)は,クラスルーム,オープンスペース及びテラス等を,低,中,高学年ごとにまとめたユニットとし,各ユニット,多目的ホール及び屋外劇場を,中庭を巡るスロープで結んでいる.

【解説】

GoogleEarthより

問題文の記述は,「目黒区立宮前小学校(コチラ)」のものではなく,「棚倉町立社川小学校」の特徴である.「棚倉町立社川小学校(近藤道男,1997~1998,福島県)」は,全校で6学級の小規模校である.敷地に隣接する雑木林や大きな池といった周辺環境を計画に取り込む,自然景観やビオトープの保全を図りながら自然とのふれ合い豊かな学校づくりが目指された.

GoogleEarthより

敷地は北面から南面に向けて1階分程度,高くなっており,そういった地形の傾斜をそのまま生かす形で建物が配されている.また,樹木の伐採も必要最小限にとどめ,原風景の中に溶け込むような工夫がなされている.

空間構成としては,2つのクラスルーム(教室)とオープンスペース及び外部とつながるテラス等を1つのユニットとし,低,中,高学年の独立した3ユニットで構成される低・中・高学年棟を中心に,共通棟(昇降口・多目的ホール・ランチルーム(食堂)・コンピューター室・図書ライブラリー),管理・特別教室棟(校務センター,理科室・図工室・家庭科室等の特別教室群),音楽棟,の各棟が中庭を囲むように配置され,さらに,その中庭を巡るスロープで結ばれている.この建築は,外部の自然(原風景)と各棟がスロープなどによって適切な距離感を保ちながらつながりあいながら,視覚的な一体感や,空間の心地よい連続性を成立させている.自然を含めた土地のポテンシャルを最大限に引き出した学校建築となっている.

【解答】×
 続く

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