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【西洋建築史】初期キリスト教建築(バシリカ)

前回からの続きです.
平成15年の一級建築士試験には,次の知識が問われました.

【問題】◯か×で答えよ
下図は,初期キリスト教建築の柱廊付バシリカである.


【解説】
313年にキリスト教がローマ帝国の国教として公認されてから,キリスト教を中心に社会は形成されていき,ローマの社会は,各地で一斉にキリスト教の教会堂の建築が求められるようになる.その際,東ローマ帝国(後のビザンチン帝国)は,イスラム勢力の文化や科学技術の影響を受け,「ペンデンティヴドーム」のように中央に向かって求心的な構成とする集中式 の教会堂が建築されていった.その代表作がハギア・ソフィア大聖堂である.
※イスラム教の礼拝堂であるモスクは,集中式である.代表的な建築は,インドにあるタージ・マハル(17世紀/1600年代).インドイスラム様式の最高傑作である.

回りに建つ4本の尖塔(ミナレット)がイスラム教のモスクの定番
中央部が上に伸びるドームはインドイスラム様式の特徴

一方,西ローマ帝国では,「バシリカ」という古代ローマ時代に,裁判や商取引などのために用いられた公共建築物を教会堂として用途転用していく.この既存空間の再利用は,教会建築の需要が増えすぎて,経済的にも,労力的にも,工期的にも新築する余裕がなかったためである.

「バシリカ形式」は,平面が長方形で細長い長軸式と呼ばれる.「バシリカ形式」の中央部を「身廊」,その左右を「側廊」といい,「身廊」は「側廊」に比べて,広く,天井高が高い.

【解答】◯ 続く


【参考となるYou Tube動画】時間のない方は視聴不要

以上

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