【学科】世田谷美術館
過去20年よりも前に出題された建築作品の知識を紹介していきます.今回は,25年以上前の平成7年(1995年)に出題された「世田谷美術館」をぶっちゃけ解説します.
【問題】平成7年(1995年)に出題.
世田谷美術館(東京都)は,公園内に立地するため周辺環境との調和を重視し,高さを2階建と低く抑え建物群を回廊でつなぐ計画である.
【解説】
問題文の通り.世田谷美術館(内井昭蔵,1985,東京都)は,公園内に立地し,周辺環境に溶け込めるよう建物の高さは2階建とし,公園内の樹木の高さより抑えている.建物を分割し,敷地内に散りばめ,高さを抑え,かつ,威圧感のある陸屋根を避け,優しい形状のヴォールト屋根を架け,それらを回廊でつなげることで,建物としての威圧感が緩和され,権威のある美術館という地域から閉ざされた密室空間でなく,地域の生活空間の延長としての訪れる人たちに開かれた親しみやすい美術館を目指している.
GoogleEarthは,コチラ.
外壁に使用するタイルにしても,釉薬が塗られツルツルでピカピカな無機質な仕上がりになってしまうことを嫌がり,凹凸をつけたり,ショットブラスト(細かい砂や鋼製,鋳鉄製の小球(ショット)を素材の表面に打ち当てて細かな凹みを作る加工法)によって,有機的なザラザラ感をあたえる処理を行い,土のような自然な風合いの外装仕上げになるようこだわっている.
YouTube動画は↓(時間のない方は倍速でご覧ください)
【解答】〇
ちなみに,類似問題が平成25年に出題されています↓
【計画問題コード25141】正しいか,誤りかで答えよ.
水戸芸術館(茨城県水戸市)は,公園内に立地するため,周辺環境との調和を重視し,高さは2階と低く抑え,建築群を回廊でつないだ施設である.
【解説】
「水戸芸術館(磯崎新アトリエ+三上建築事務所,1990,茨城県水戸市)」は,コンサートホール,劇場,美術ギャラリーそれぞれが独自の活動を同時に展開できる独立性の高い空間を保ちつつ,共通のエントランスホールによって相互の融合を図った文化複合施設である.
問題文は,「世田谷美術館」の特徴である.水戸芸術館については,↓のYouTube動画をご覧ください.
【解答】×
続く
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