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【製図】合格者キャップさんの勉強法

2022年(令和4年)にカド番落ちから学科試験に復活合格し,そのまま製図試験にも合格されたキャップさんに製図試験突破ノウハウをヒアリングさせて頂きました↓

尚,本番での再現答案や当日のエスキス,課題文へのマーキング等は,コチラ.登録は必要ですが無料でダウンロード可能です.また,キャップさんをはじめ,他の合格者たちのインタビュー動画も視聴可能です.


過去問題研究講座の活用法(どういった勉強をしたか,どのように勉強するとよいか?)

 ウラ指導で作成された「課題考察(受講生限定で公開)」を踏まえながら、試験元が公開している標準解答例(コチラ)は空間構成4要素(コチラ)をどのように表現しているかを確認していました。過去の本試験で「空間構成としてどのような計画になっているのか」、「書くべき特記事項をどのように表現しているのか」、「標準的な解答として必要最低限の内容はどの程度なのか」などを把握しながら、取り組んでいる課題に反映することを心がけていました。

 また、ユープラ(You Tube解説はコチラ)に提出された合格者の図面やエスキスが公開されているので、その内容を確認していました。これによって、本試験での受験生の図面表現レベルはそこまで高くないことに気づくことができ、自分の作図での力みを緩和することができました。

 昨年までの製図の勉強では仲間と交換添削を行ってましたが、空間構成の捉え方、要求内容の表現、作図内容など、意見交換で挙がってきた疑問点は、過去問講座にある標準解答例を活用することにより、具体的に解決できることが多かったです。


■国語力開発講座の活用方法(どのように勉強したか,どのような勉強の仕方がお薦めか?)

 令和2年度後半戦から国語力開発講座を受講したのですが、最初の方はプランニングの作法が全く分からず、数多くのチェックを頂いていました。だた、そのチェック内容もどのように活かしていけば分からなかったので、製図試験のウラ指導テキストの「プランニングルール」と「フリープランニング練習」を繰り替えしていました。

 それと並行して、サイトにアップされている受講生たちのフリープランニングを確認し、どのような内容でチェックされているのか、どのようなプランニングが良いのかを見ていました。令和2年度後半戦ではアップされている図面の全てに目を通すことで、好ましいプランニングのイメージを作り上げていくことができました。他の受講生の図面でチェックされている事項は自分では意識していないものも数多くあったので、令和3年度以降の製図勉強にも繋がっていきました。

 また、建物のプログラムをある程度自由に設定できるのですが、自分勝手に設定できるものではないので、実例建物のプログラムを参考にすることが必要でした。これにより、課題用途のプログラムはどのように成立しているのか体感することができたので、各課題や本試験でのプログラム作成において、大きなミスをすることは無くなりました。


■ 通信添削課題の活用法(どういった勉強をしたか,どのように勉強するとよいか?)

 基本的に1回目は6時間30分で課題に取り組み、添削を受けたうえで、現時点で自分のできる部分とできない部分を考えていました。その後は2回目に取り組み、自分に不足している点を見つめなおし、その修正案を考えながら製図の勉強を行っていました。

 また、サイトにアップされている他の受講生の図面はできる限り見るようにしていました。ランク1図面であれば空間構成、図面の表現の仕方など、自分の計画との違いを見ていました。ランク2~4であれば、どのような点を指摘されていたかを細かくチェックし、自分はどのようなチェックを行えばミスを防げるのかを検討していました。

令和2年度後半戦は全ての図面に目を通しましたし、それ以降もできる限り見たので、かれこれ通信添削だけで3,000案ぐらい見ていると思います。これで本番でのチェック能力を養ったといっても過言ではないです。


■ 本番での心構え(本試験日直前にもご覧ください)

 本試験ではほとんどの人が何らかのミスをします。普段の課題ではミスをせず、チェックも十分に行っている人でも、それまでに経験したことのない本試験の極限状態の場ではミスが発生する確率が上がります。特に、これまでやったことのないような手段や解決法を使うと、ミスが発生する確率が飛躍的に上がり、そのミスに気づけずスルーしてしまうパターンが多いです。

 そのようなことから、普段の課題から様々なシミュレーションとイメージトレーニングを行って十分に対策を行い、本試験では少しでも平常心に近づけるような努力が必要だと思います。ちなみに、自分は製図試験開始直後に下書き用紙の左上に「ハートは熱く、心はクールに」というスローガンを書き、精神状態を安定させることに努めました。

ハートは熱く,心はクールに

 ユープラや課題の図面を見て思うのですが、スキャンした画像の精度が悪く、書いている内容が十分に読み取れないものが散見されますが、自分的にこれは少し残念な傾向だと思います。画像の精度が悪い図面を提出している人には、自分の計画内容を丁寧に読み取ってくれるだろう、という考えがあると思います。しかし、採点する側も人間であるため、読み取れない内容や伝える想いが感じられない図面は、採点するテンションも上がらず、相対的な評価も上がってこないと考えます。

 製図試験において自分を表現できるのは図面だけです。採点する相手に対して、自分が計画した内容をどれだけ伝えることができるかが、多少なりとも採点内容に影響していると思います。採点する人の立場に立った図面作成を心がけてほしいと思います。そのため、採点する側の気持ちを少しでも理解するため、課題や模試でアップされている他の受講生の図面を見て、積極的に自分なりに添削してみてほしいです。

 最後に、過去の合格者を見て思うのは、主体的な勉強を行っていることです。ほとんど受け身にならず、積極的に情報を収集し、それを自分なりに分析し、アレンジして自分向けに調整し、自分に合うものだったら続けていき、それで得たものを発信して試験に適しているかどうかを判断している、ということです。自分にとって有益な情報が向こうから飛び込んでくることは、ほとんどありません。一級建築士試験は、これまで積み上げてきた知識や技能を自分の責任で解答用紙に表現し、それが一級建築士の知識や技能に適しているかを判断してもらうものです。一級建築士は様々な情報を集約して、それをコーディネートし、マネジメントすることによって一つの建築物をつくり上げていくことが求められています。平成21年の試験制度改正の時も「専門分化している建築設計を調整し、取りまとめていく基本的な知識・能力等を確認する」と示されています。これを念頭に置きながら勉強を進めていけば、自然と主体的な勉強になり、少しずつ合格に近づいていくと考えます。


以上

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