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【学科】建築作品の1点が合否を決める その1((西)本願寺飛雲閣 編)_計画科目2問目

勝ち方を知った上で,合格点を突破する.それが合格ロケット流.

今の一級建築士 学科試験は,たった1点で合否の命運が決まります.その中で,建築作品で点数を稼げないと著しく不利になります.総合点は合格基準点を突破できても,計画科目の足切りによって不合格というケースもありますので.

逆に,建築作品で点数を稼げるようになると,圧倒的に合格点を突破しやすくなります.そこで,今年(令和6年度)の学科試験問題を使って,建築作品を得点源に変える方法をぶっちゃけ解説しておきます.

2024年(令和6年)の学科本試験 計画科目3問目の3番選択肢には,次の知識が出題されました.

本願寺飛雲閣(京都府)は,敷地内の池に面して建つ3層の楼閣建築であり,左右対称を避けるように3層を中央からずらして配置し,屋根や唐破風を複雑に配した,平安時代に建てられた寝殿造りの建築物である.

2024年度 計画科目 2問目3番選択肢

↑の問題は,『平安時代に建てられた寝殿造りの建築物』という部分がフォーカス ポイント(=誤ったキーワード)となります.日本建築史をストーリーで理解できていれば,平安時代というキーワードを見た瞬間に,誤ったキーワードと判断でき,確実に得点できた問題です.

(西)本願寺飛雲閣のパース

(西)本願寺飛雲閣についての60秒の動画解説(YouTube)は↓

日本建築史をストーリーで理解できるYouTube動画は↓

↑は,合格ロケットのメルマガで,毎回,紹介していました.メルマガをきっちり読んでいてくれた受験生は,確実に得点できた問題です.


話を問題文に戻して,楼閣建築とは,重層,つまり,複数の階をもつ建築のことをいいます.↑のフォーカス ポイント以外の部分である「敷地内の池に面して建つ3層の楼閣建築であり,左右対称を避けるように3層を中央からずらして配置し,屋根や唐破風を複雑に配した」という記述部分については,完全に理解できてなくとも,『平安時代に建てられた寝殿造りの建築物』というフォーカス ポイント部分さえ誤った記述であることを見抜ければ,得点できます.逆に,このフォーカス ポイント部分を見抜くことが出来ねば,失点してしまい,貴重な1点を失います.

ちなみに,平安時代の寝殿造りとは,↓の東三条殿のような空間構成です.思いっきり平屋です(=重層でない).


また,この問題(四肢択一式)の1番選択肢である豊平館(北海道)や,2番選択肢の臨春閣(大正期に移築,現・神奈川県)は,いずれも生粋の新出問題(過去20年に出題されたことのない知識)であり,かつ,豊平館や臨春閣なんて,建築作品好きの受験生であっても,そのほとんどが知らない知識です.こういったどうでもいい新出問題に引っ張られてしまうと,冷静な判断力が損なわれ,さらに,創造力豊かな建築人特有の思い込みによって,フォーカス  ポイントを誤って判断してしまうことがあります.

それがこの試験の面白さでもある.この事実を知った上で本番へ挑むのと,知らないまま解き始めるのとでは,得点力は大きく変わってしまう.

例えば,この問題だと,3番選択肢の本願寺飛雲閣(京都府),4番選択肢の三徳山三佛寺投入堂(鳥取県)は,過去に出題されたことのある知識です.そのため油断して,問題文を読んでしまうと,いずれも正しい記述に見えてしまう.結果,新出問題である1番,2番選択肢のいずれかの記述の中にフォーカス ポイントが存在しているように思い込んでしまう.そうやって失点します.

もしくは,本願寺飛雲閣(京都府)についての理解の解像度が低いと,前半分部分が正しい記述のため,後半部分の記述(=平安時代に建てられた寝殿造りの建築物)も正しい記述と思い込んでしまう.問題文の内容を画像やイラストで考えることができず,文字ズラだけで解いてしまう受験生は,こうやって失点を重ねます.

文字ズラで解いてしまう(=文字だけで正誤を判断する)方は,↓のアウトプット図勉強法を必ず,実践してください.

つづく


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以上

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