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【日本建築史】出雲大社と大社造り

前回からの続きです.

出雲大社の建築様式は『大社造り』といいます.大社造りについては,平成13年,18年の一級建築士「学科」試験問題に出題されています.

【問題】
出雲大社本殿(島根県)は,正面の片方の柱間を入口とした非対称の形式をもつ中門造りの神社建築の例である.

【解説】
「出雲大社(古代,島根県大社町,大社造り,神社)」は,桁行2間,梁間2間の切妻造妻入の建物で,正面の片方の柱間を入口とした非対称の形式をもつ「大社造り」の神社である.

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1248年以来規模を小さくしたと伝えられ,それ以前は巨大で高さ16丈(48.5m)あったという↓(創建時のイメージ図)

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尚,「中門造り」とは,新潟・福島・山形・秋田各県地方に見られる茅葺き民家形式のひとつで母屋に対し,直角に馬を飼育するための馬屋(うまや)を突き出させたL字型の平面が特徴である.突き出たうまや部分には,通路や便所が配置されることが多く,突き出たうまや部分の妻側から外部アプローチをとり,そこからうまや部分の通路を通って母屋へとアクセスする.南部曲がり家と空間構成が似ているが,南部曲がり家の方が,母屋に対し,突き出すうまや部分が大きく,南部曲がり屋は,母屋とうまや部分の入隅から外部アプローチをとることが多い.

【解答】×


【問題】
「大社造り」とは,切妻造り,平入りとし,前殿と後殿とを連結し,両殿の間に生じた屋根の谷に陸樋を設ける形式である.

【解説】
大社造り(古代)は,切妻・妻入りの形式で,入口が中心からずれた非対称な構成に特徴がある.代表例は,出雲大社.

問題文は,「大社造り」ではなく,宇佐神宮を代表例とする「八幡造り」の特徴である.

続く

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