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【日本建築史】雲形組物

前回からの続きです.

今回も法隆寺の金堂(国宝)についてです.平成24年の二級建築士学科試験問題として次の知識が出題されています.一級建築士学科試験問題としては出題されたことがないため,いつ出題されてもおかしくない内容です.

【二級建築士学科試験で問われた知識】
法隆寺金堂(奈良県)は,構造上の特徴として,天秤式に釣り合うように計画された雲形組物を有する建築物である.

【解説】
寺社建築の組物(斗(ます)や肘木(ひじき))は,仏教の伝来とともに日本へ伝わった建築技術で,柱と梁の接合部を強くし,さらに,重い瓦屋根を支えつつ,深い軒を実現するために進化していきました.その初期の代表作である法隆寺の金堂では,雲のように演出された雲斗(くもと)・雲肘木(くもひじき)を組み合わせ,これを「雲形組物」といいます.

法隆寺金堂の雲肘木と雲斗

一般部の組物は,左右対称で天秤(てんびん)式に釣り合うように柱の上部などに計画されます.

柱の上に左右対称で天秤式に雲斗を設置
一般部の柱の上部には,左右対称で天秤式に釣り合うように雲形組物が配置(法隆寺金堂)

【解答】〇
 続く

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