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【西洋建築史】ダラム大聖堂(イギリス)と交差リヴ・ヴォールトの登場

前回からの続きです.
新問題対策として,次の知識を知っておいてください.

【問題】◯か×で答えよ
ダラム大聖堂は,天井面に交差リヴ・ヴォールトが採用された最古のロマネスク様式の大聖堂である.


【解説】

前回,説明した交差ヴォールト(コチラ)の稜線部分に屋根荷重が流れるため,そこが力学的に弱くなってしまう問題があった.

↑が交差ヴォールト天井の見上げ
Xとなる稜線部分に屋根荷重が集中し,構造的に弱い

その部分を補強したのが交差リヴ・ヴォールトである↓

交差ヴォールトの稜線部分を補強した交差リヴ・ヴォールト↑
リブとは,肋骨の意味

ロマネスク建築はこの後,構造的合理性を高め巨大化(高層化)し,大きな開口部からステンドグラス越しに幻想的な光をふんだんに取り込めるゴシック建築へと進化するが,この交差リヴ・ヴォールトは,ゴシック建築の特徴の一つにもなる.

ロマネスク建築において,天井面に交差リヴ・ヴォールトが採用された最古の建築物は,イギリスのダラム大聖堂である.この話もいつ一級建築士学科試験に出題されてもおかしくない知識なので覚えておいて欲しい.

ダラム大聖堂(Google Earthより)

ダラム大聖堂は,ノーマン(=ヨーロッパにおいてイギリスなど北方系ゲルマン民族のこと) ロマネスク様式で,ラテン十字型の平面をもつ.身廊部は三廊式.

平面図

解説動画(YouTube)は↓(倍速でご視聴ください)

ダラム大聖堂は,映画「ハリー・ポッタ」のロケ地としても有名です.

【解答】◯ 続く


【参考となるYou Tube動画】時間のない方は視聴不要

以上

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