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【日本建築史】円覚寺舎利殿の3ポイント

前回からの続きです.
禅宗様の代表作と言えば,神奈川県鎌倉市にある円覚寺舎利殿です.

平成22年の二級建築士「学科」試験問題では,以下のような知識が問われてています.

【問題】
円覚寺舎利殿(神奈川県)は,部材が細く,屋根の反りが強い等の禅宗様(唐様)の特徴をもった建築物である.

【解説】
問題文の記述の通り.

【解答】○

平成28年の二級建築士「学科」試験問題では,×問(誤った記述として解答が×となる問題)として出題されています.

【問題】
円覚寺舎利殿(神奈川県)は,部材が細く,屋根の反りが強い等の和様の特徴をもつ建築物である.

【解説】
円覚寺舎利殿は,「和様」ではなく,禅宗様の特徴をもつ建築物である.今後,一級建築士「学科」試験問題に新問題として出題されるとしたら下記の3つの知識が問われるでしょう.

1.内部は床を張らずに土間となっている.

土間とは?
床を張らず(組まずに)に,地面と同じ高さにしたもので,土間部分の仕上げには,三和土(たたき/漆喰を塗り固めたもの),珪藻土(珪藻土),コンクリートやタイルなどが用いられる.

2.裳階(もこし)があることで,二階建ての二重仏堂のように見えるが,実際は一階建て(一重仏堂)である.断面図はコチラ

3.上部の貫と貫の間に,採光や風通しのための弓欄間が巡らされている.

【解答】×
 続く


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