見出し画像

【日本建築史】二条城二の丸御殿『書院造り』

前回からの続きです.

書院造りは主として,武士の住居として用いられ,その代表作は二条城二の丸御殿(国宝)の白書院,黒書院などです.この話は,平成4年,16年の一級建築士「学科」試験にも出題されています.
 
【計画科目/問題コード04255】
二条城二の丸御殿の黒書院には,押板床・違棚・付書院をもつ上段の間がある.

【解説】
「二条城(1603年江戸時代,京都市,徳川家康築城)」は,京都警備と上洛時の宿所として建てられ,手前から雁行(がんこう)形に玄関,遠侍,式台,大広間黒書院白書院と配置された.平面計画は↓

上記の平面で二条城二の丸御殿を説明すると,北西側(最も北側)にあるのが白書院(将軍の生活空間/内装がシンプル),その斜め南側にあるのが黒書院(将軍の身内(家臣)だけが入ることが許される空間/権威を象徴する格式ばった質実剛健豪華賢覧な空間),さらにその南側に大広間が配されます.白書院黒書院大広間のいずれも室内空間は,北西に一の間(=上段の間),南西にニの間,南東に三の間,北東に四の間が配置されている.さらに,いずれの上段の間(一の間)にも,押板床,違棚,付書院(=書院とも呼ばれる)の3点セットが設けられており,これが書院造りの特徴の一つとなっている.

上段の間

上画像は,黒書院の一の間(=上段の間)のスケッチです.押板床向かって左側に付書院(つけしょいん),

黒書院は,うちわの客に会う対面所にあたり,付書院(つけしょいん),押板床(床の間よりも奥行きが狭く,床框を高く設ける),違棚(床脇)をもつ上段の間がある.この3点セットが書院造りの特徴で座敷飾りと呼ばれる.白書院大広間の上段の間にもこの3点セット(座敷飾り)がある.

画像2

画像3

【解答】〇
 続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?