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【日本建築史】竜吟庵方丈の3つの庭
前回からの続きです.
今回の話は,日本人の美意識を学ぶ上で,この次の「詫び寂び」の精神やそこから開花する茶室建築(学科試験に頻出されている知識)に繋がっていく話です.この機会に知っておいてください.
東福寺にある塔頭(たっちゅう)の一つ竜吟庵(りょうぎんあん)方丈は,一般的には,建物よりも枯山水の庭が有名です.
枯山水(かれさんすい)とは池などの水を用いずに石や砂などによって山や水の風景を表現する庭園様式.白砂や小石を敷いて水面に見立てることが多い.
枯山水の庭は室町時代の禅宗寺院で特に用いられ洗練されていった.
竜吟庵方丈を囲む形で東・西・南の三つの枯山水の庭がある.
・東庭(不離の庭) 大明国師(無関普門)が幼少の頃,熱病にかかって山中に捨てられた際,二頭の犬が国師の身を狼の襲撃から守ったという故事を石組みで表現している.
・南庭(無の庭)
方丈の前庭で,白砂を敷いただけのシンプルな庭.
・西庭(龍門の庭)
龍吟庵の寺号にちなんで,龍が海から顔を出して黒雲に乗って昇天する姿を石組みによって表現.竹垣には稲妻模様がデザインされている.
上記の3つの庭の音声解説(Youtube)は↓
いずれも重森三玲(作庭家/今でいうランドスケープ デザイナー)によるもので,昭和39年(1964年)の作庭である.1964年は,東京オリンピックが開催された年です.
続く
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