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処刑機械・上昇降下(サンソン・エレヴェーター)

エレベーターに挟まれて死ぬことは稀にある。
紐が挟まったまま動いて、とかね。
でも、この会社で流れる噂は少し違う。
ギロチンよろしく挟まれて、下はエントランス、上は役員エリア。
なんてこともあったとかないとか。
まあなんだ、都市ならぬ会社伝説。
平成一桁時代に生まれた私は、父親と同じ年の上司、瀧園にその話をされた。
3軒目の飲み屋で。
話がクドい以外は、ま、そこそこ良い上司。
別部署の齋藤遙が言うには、部長にチークダンス(今時)を強要されたとか。
さっきまではそうだったね。
先輩の篠崎さんが子供が熱を出したとかで帰った後、瀧園は私の隣に移動した。
「そういえばさあ……」
酒の臭いが濃くなる。腰に右手、太ももに左手が触れた。
「山の方の出身だっけ?名前からして」
「代々、千葉の海の近くに住んでます」
「ふうん、山村、山の村……ふふ、サンソンちゃんって呼んじゃおうかなあ」
「ははは」
「ホラ、俺達だけの、呼び方、んふふ」

【続く】

#逆噴射プラクティス #ホラー #モダンホラー #エレベーター #小説

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