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桜が散って

20240417

今年は、桜の花が咲く時期が例年に比べて遅かったように思う。

小学生の頃は、入学式の時期に咲く印象だった桜は、高校生になると卒業式の時期に咲くイメージに変わっていた。

私の誕生日は、入学式の頃にある。誕生日が近くなった時に桜が咲いているとなんだか嬉しかった。桜の花が咲く時期が誕生日に近いことも理由のひとつかもしれないが、私は桜の花が、桜の木が、とても好きだ。
少しゴツゴツしているように見える樹の幹は、思ったよりも脆くて、花は少し咲き始めたかな、と思っていたら、近くの木々へ瞬く間に伝播していくようで、気付いた瞬間にはもう満開になっている。春の陽気をふわっと感じさせるような優しい色が心地よくて、幸せな気持ちにしてくれる。でも、満開になった後、雨風吹こうものなら、すぐに花びらが散ってしまって、言葉通り“儚い”。この間咲いたばかりなのに、もういなくなってしまうの、と言いたくなってしまう。それでも、花びらが風に舞う姿もいつまでみていても飽きなくて、自分だけの世界に浸らせてくれるようで、何歳になっても思わず手を伸ばしてしまう。

そんな桜の花が、今年は私が小学生の頃と同じくらいの時期に咲いてくれた。久しぶりの季節だったのではないかと思う。用意して、お花見を出来たわけではなかったが、大学へ向かう電車の中から見える木々に心躍らせ、街のあちこちに咲き誇る桜に胸を昂らせ、思いがけないところで桜と出会えた日には幸せをお裾分けしてもらっていた。
誕生日により近い時期に咲いてくれる桜に、パワーをもらえていた気もする。例年以上に嬉しい気持ちの自分がいた。

そんな桜の花も、ここ数日で一気に花びらを落とし始め、葉桜に変わりつつある。あの、ピンク色の優しい桜たちとまた1年会えなくなるのは少し寂しいけれども、新緑の中にぽつぽつと桜色が残っているのも、生命の息吹を感じるようで、やっぱり桜はいいなぁなんて思ってしまう。
季節の移り変わりを刻々と魅せてくれる桜が、本当に好きだ。


桜の花が散って、新緑に染まり始める今日この頃、新生活も少し見えてきていて、身体もなんとかこの生活に順応しようとしている。
まだ、もう少し忙しなく動き続ける生活が続くかもしれないけれど(桜と似ているかも、笑)、
私もあの葉桜のように青々と、日々を生きていきたい。

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