ゆーく_高木

「介護職員募集」やめませんか。(※ambloからnoteに移行)

福祉人材不足と叫ばれ続けて一体何年経つだろうか。
僕がこの業界をかじりはじめた2008年よりもずっと前からそんなことが言われてきている気がする。

Ubdobeが2008年から始めたイベントの実績がどうやら身を結び、2012年頃から「こいつら福祉人材獲得に使えるんじゃねーか?」とザワザワし始め、昨年から厚生労働省の介護人材確保地域戦略会議の有識者に選任いただいております。誠にありがとうございます。

ここで思い切って言いたい。
人材が足りない足りないと騒いでいるアナタ、「本当に集める気がありますか!?」と。

この業界、だいたいどこの就職フェア行っても会議テーブル並べてチラシ置いてオッさん座らせて屁こいて待ってるみたいなのがほとーーーんど。
ちょっとましなもんでモニター置いて映像流しながら説明しているくらいでしょう。

日本国内に数万箇所ある事業所の中からアナタのところを選んでくれるかどうかっていう勝負の時にですよ、座って待ってるだとーーーーーーーー!
おーーーーーい!!

それは「集まらない」のではなく「集めてない」んです!!!!
だって誰も行きたくないもんそんなとこ!!


そして僕の持論ですが、この業界、今のままどんなに「介護職員募集」活動を続けても大きな動きは作れないと思っています。
だって順番が違うんだもん。完全に。

いま介護やっている人間のなかで最初っから介護のシゴトに就きたかったです!なんていう人そんなにたくさんいます?
てゆーか自分自身どうでしょう?僕はまったくもってそんなこと思ったこともないクソガキでした。
もしかしたらいまでも「介護」そのものにはさほど興味がないのかもしれない。

けどね、「福祉」って言葉にはなんとなく惹かれるものがある。今はね。まーそれもただの言葉。

本当に人の心が動く時ってさ、言葉聞いただけとかではなく「リアルな体験」した時じゃないっすか?
目の前で起きるリアル。音とか匂いとか光とかがドバーーっと自分の中に入ってくる感じ。
体験こそが全てだと思うのです。


ここまで話すと、「じゃーデイサービスの見学に。。。」ってなるんだけど、それもちゃうねんって!!
なんでそのへんの奴がいきなりデイサービスの見学になんか申し込むよ!こわいわ!!きゃー不審者!!

「介護職員」を求めるがあまりに、この業界はシゴトシゴトシゴトシゴトを前面に全面に出しすぎちゃってるんだね。
そりゃ言われるよ、「給料安い」「きたねー」「きついきつい」って。
だって、「介護」=「介護のシゴト」なんだもん。
これが今までの蓄積。


けどさ、「介護がシゴトになる」って結果じゃないのかね?って俺は思うの。
「パイロットになりたい」「弁護士になりたい」「バイクレーサーになりたい」「パティシエになりたい」みんなそういう風に言うじゃない。
それは乗り物乗ったり映画やドラマで見たり、近所の美味しいお菓子屋さんが大好きだったりした結果、そういった感情が芽生えてしかも目の前に具体的なイメージが居続けた結果がそうなるわけでしょ?

けど介護のシゴトしている人って、見たことなくね?
だって、デイサービスや老人ホームは壁で囲まれて、訪問サービスは誰かの家の中。テレビには虐待のニュースくらいでさ、そんなんで具体的なイメージなんか湧くわけもない。


けど、みんな人生で「福祉っぽいこと」に触れるきっかけってけっこうたくさんあると思うの。
生まれた瞬間に助産師さんとかに抱えられてさ、何かあればクリニックで診てもらって、たまに熱出したら親兄弟や仲間たちが看病してくれたりして、
学校で喧嘩してたら助けてくれる兄ちゃんや姉ちゃんたちがいたりいなかったりして、特別支援学級があって何かしらの障がいのある同級生がなぜか別の部屋にいて、
けど中学あがるくらいから、自己が確立しまくるから親のことクソババァだのクソジジイだの言い始めて家を飛び出して友達と遊び始める。
そのうち部活とかにガチになって、気づいたら受験勉強で高校お受験。塾通いだぜーギャーー。受かったー!落ちたー!ってなって高校生になって彼氏彼女ができていちゃいちゃデートばかりに夢中になるかゲームおたく具合が止まらないかライブハウス巡って狂ったように踊り続けるかでしょ。
さーいよいよ大学受験?or就職?

この流れでいきなり「介護のシゴト」しませんか? ってさ。

もはや宇宙語ですよ。

「カイゴノシゴトシマセヌカ??」

怖い!

怖いよ!!
いきなりかよ!!ってならない?

なんでそんないきなりくるかなー(汗)

「高齢者の生活を支えましょう」

いや知らねーよ!どこの高齢者だよ!なにやんだよ毎日? 掃除?洗濯?食事?排泄? むりむりむーーりーー!全部無理ー!!


となるわけです。
こんなんで人が集まるわけがありません。


僕の持論ですが、介護の人材を増やすために「介護」というキーワードはいらないと思っています。(最初は)
段階があると思っているのです。
段階的に、介護福祉業界の中で日々働いている人たちと連携しながら進めていくべきなのです。(ここ大事。今回は詳しく書かない)
採用担当とか施設の偉い人がいきなりでてきて、はい、では面接しますーっていうのはもう、なしね。
いや、自分の施設に人が足らないのは分かるけど、それと同時に取り組まないといけないと思うわけです、業界全体の課題に。
だって業界全体の課題って、日本国の課題だからね。
この国に住む以上はそこは気にしていきたいところ。


いきなりですが、僕が福祉人材の確保に必要だと思うのは、、、

1. 上記のように段階を意識して構築する「入口」づくり。相手は10代とか20代だよ?工夫しないと。業界内の連動はまた気が向いた時に書く。

2. 介護とか福祉とか関係なくその職場にどんな奴がいるのか?という「強烈な個」の表現。己が前に出ろ。己が!!

3. (内緒:知りたい人はどこかで声かけてください。)

だってさ、福祉って全人類みんなに通じるキーワードだと思うわけですよ。(なんか宗教っぽいな)
ゆりかごから、墓場までって言うじゃない。
福祉ってすげーよ、マジで。(これ以上言うと怖い)


ということで、何が言いたいかというと、
日本の介護業界のみなさん、
「介護職員募集」の張り紙出して求人誌に広告出すだけの活動をやめませんか?


若者がどうやったら振り向くかを本気で考えて、段階的に組み上げて、きっと脳みそのどっかにこびりついている「福祉っぽいこと」を想い出してもらいましょうよ。
募集ばっかするんじゃなくて、己が前に出て、出て、出まくって、(語るだけだとうざいから工夫して面白く)若者の人気者になって、
「あんな人になりたいな」って想われるような活動を始めましょうよ!!(僕も頑張ります。)

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