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コロナ渦で初めて黒字になった酒屋の話

やりました!!!大森山王ブルワリーを始めて1年半、酒販免許をとって3年超。ようやく自分の給料を取った上で単月黒字になりました。

コロナ渦でビール製造者、酒屋が大変な中でも黒字にしたことは、超弱小企業でもきっと何か参考になることがあるはずだとあえて書くことにしました。

長かった、長かった、長かった、
何より、こんなボロボロな船の会社を誰よりも愛し、応援してくれる多くの人たちに感謝でいっぱいです。

SNSでどんなに反応があろうが、それとは関係なく、お店に来てくれたり、一緒に考えてくれたり、相談に乗ってくれたり、一緒にお酒を飲んでくれたり、そんな近くの人たちあってのおかげです。本当にありがとうございます!僕の仕事をようやく1つ達成できました。

なぜ、単月黒字になったのか?しかもコロナ渦で飲食店への卸売が減った、いやほぼ無い中での達成。これからグッと上り調子とは行かないこともわかってるけど、それでも、少しだけ方向性が見えた気がして、そのあたりをまとめてみました。

※これはあくまで地域で事業を営む僕らの事例であって、技術論でなく、僕らの意思なので、その点を踏まえてご覧いただけますと幸いです。そして常に実績をシェアすることで、社会がよりよくなればという思いです。

1)オンライン広告の費用比率をグッと下げた(コストカットではなく何を大事にするか?)

なんだ、そんな話かと思うのかもしれないのですが、いろいろなD2Cの成功事例とか見て、僕もずっとネットの仕事もしてきたし、他社との差別化ポイントとして1月末から、googleのサポートも受けて費用をかけて力を入れ始めまい始めました。たしかにかける費用に応じて、売上は伸びていったのですが、お客さんの顔が見えないと不安でしょうがなくなり始めたんです。。

以前、Hi-Timeを出したときに書いたことがあるんですが、去年の7月までは瓶しか売れなくて、買ったお客さんの反応がSNSでしかわからず辛かったんです。だって、それなりにお金を払っていただいたのに、コミュニケーションが購入時で終わってしまうから。だけど、リアルな場所を持つことで、お客さんの反応が目の前で見れて、本当に嬉しかったし、それが僕らのエネルギーになりました。失敗もいっぱいあったけど、もっと良い味を!もっと良いサービスをと日々更新することができた。オンライン広告→購入では、それがわからない。というよりわかる比率が少ない。

それと同時にオンラインで買ってくださったお客様の名前を見ていると、実は知ってる人が多いことに気づいたんです。つまり、Hi-Time他で直接関係のあったお客様が、場を使い分けオンラインを使っている。そう考えるとネット広告は接点っぽいけど接点ではない。あくまで購入する場所の選択肢の1つでしかない。つまりリアルなお店のほうが何百倍も広告であるということです。これは僕らがローカルなクラフトビールを扱っているからかもしれないですが・・

そんなこんなで、一旦今できるMAXの費用をかけた4月を終えて、実験的に5月の数字を激減させたのですが、そうしても、5月はほぼ変わらない、いや、4月を超えてしまった。大事なのはSNS、店頭、メルマガ他、「今欲しい!」と思う情報を丁寧に伝えることかなと。

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もちろんもっと運用技術をつければ効率は良くなっていくかもしれない。だけど、僕らがほしいのは関係であって、売上ではないので、もうここは今の所必要ないかなというのが主観です。

まとめると、オンラインショップはリアルなお店の延長というか補完でしかない。というのが気づきでした。

2)社会のためにすると売上が上がる??(目の前よりももっと大事なものはないか)

5月はやっぱりGWのおかげもあると思います。5月1日〜5日まではたしかに大盛況でした。しかし、5月の数値を並べると2番目に売れた日は、焼き鳥をプレゼントした日でした。

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この裏には、ある大口のお客様からビールが販売出来ないから、なにか料理に応用などできないかという前向きなご提案でした。だけど話を聞くと賞味期限が近い。料理に応用してもひょっとしたら売れ残ってしまう。それと同時にそのお店以外も困っているのではないかと、賞味期限が近そうなお店にもし残っているビールがあれば買い戻させていただきますと連絡をしました。

それを各お客様に連絡をしていたところ、大森の老舗焼鳥、釜飯屋のあぶらやさんから「うちは大丈夫、余れば飲むから。それより焼鳥焼くから、その買い戻したビールとともに売ったらどうか?あとは託す!」と男前すぎるご提案をいただき、先に上げたビールと焼き鳥セットを売りました。

この日がGWを凌ぐ売上になるって、やっぱり目の前が大事ですぐそこばりを追い求めちゃうけど、それではいかんのだなと強く思ったのと、そこで来てくださったお客様があの企画で好きになりましたという声もありました。

企業はやっぱり社会の中にあるんだなと痛感します。

3)グラウラーの利用が興味と利用が増え、リピートしてくお客さんが増えてきた^^(楽しさは今でも作れる)

下記のプレスリリースで出した4月での割合を更に超えて20%を超えてきました。グラウラーを嬉しそうに持ってきてくださったり、楽しみに買ってくださったり、昨年保健所の件があっても頑なに飲食店の許可を取らずに酒屋にこだわってよかったなと思います。

なにより、もし飲食店だったらビールが売れない。そうなると、製造元も困っちゃうし、まあ結果オーライにも見えつつ、競合を作らないという意思が良かったのかなとも思います。

ということもあり、5月はわずかですが黒字で終えました。
経営コンサルタントとは違いますが、今元銀行員の父親ほどの年齢の高校の先輩にお金のアドバイスを頂いていて、兎にも角にも社長はちゃんと給料をもらえるようにしなさい。そうでないと、やりたいと言う人が出てこないし、会社を作る意味がないといつも叱咤激励を受けていて、それもいい刺激になっています。何よりこんなタイミングでも応援してくれる銀行との関係性はその方に教えていただいたものでした。

そして何よりHi-Timeという場所が強いです。売上の67%を占めています。この場所は世の中に出ていない物件、しかももと駐輪場あとという物件としてはありえない場所。未だに水道ない場所で、ネットよりも卸よりも売るんだから、そんな場所を見つける、いや紹介してもらえる関係性を作るということが何よりも必要なのかもと思いました。

まとめると、結局近くを大事にすることしか、道はないし、それが楽で楽しいというおまけ付きです。「楽」というのが非常に大きいと僕は信じています。そしてそれがファンベースということだと僕は思っています。

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