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良い環境を生むために〜銀行との良い付き合い方〜

コロナ禍で経営者として大事なことの1つが事業資金を確保すること。
今、実際に自分でもこの状況で、資金調達をしてみて感じることは会社の信用度っていうものがとても大きいということです。

僕は今2社(ともに一人会社)の経営をしていて、1社は受託中心の制作会社、もう1社は3期目のビールの事業会社、制作会社は今年で9期目、毎年なんとか経営を継続していて、時に資金を借りたりの実績があるので、資金調達をしようとしても比較的、スムーズに借りることができました。

問題なのはもう1社です。ビール会社は何しろ初期に費用がかかります。ラベルのデザイン、印刷、樽の購入、梱包関連グッズ、POP、チラシ、そしてビールの仕入れ・・・全て先に用意しないと行けない。そこに売り上げが追いついていればいいんですけど、コロナの影響を受けて、売上にて良い時の数値が出せていないと、そもそも土台が低すぎるとして、資金調達の土俵にすら乗れない。

そうなるとどこかしらから個人でお金を借りて、会社に貸付などしないと、たとえ商品が売れ始め、未来を感じたとしても、銀行や商工会議所など普段の付き合いが薄ければなおさら、額面上しか見られず、ゲームオーバーとなってしまいます。

今回、その怖さをすごく感じたので、1つ記すことにしました。
そんな事業会社を救ってくれたのが、ある銀行との付き合い方に関してでした。事業者の参考になればと記してみたいと思います。

■意識が変わった出会い

もう1社のビール会社を初めて、2年目。元銀行員で高校の先輩のA氏と出会い、事業のことはもちろん、経営者としての立ち居振る舞い、そして銀行がどういうものか教えてもらいました。これは8年間会社をやっていても意識に無かったことでした。

特に、大きく響いたことは
銀行が会社に融資するのではない、支店長が社長のあなたに金を貸す
逆風の時にこそ、あなたの会社の真価が問われる
→雨が降り出した時に、銀行が傘を差し出したくなるような会社になろう!

言って仕舞えば、一人の人として銀行の支店長やスタッフと付き合う、それはこまめに連絡を取り合い、良いことも悪いことも率直に話し、将来をともに模索することだと感じ、アドバイスを受け取りました。それまでと言えば、借金をした後は、決算報告の時にだけ連絡を取り合うような関係になっていることが多く、ちょっと会社の数字が良くなければ、数字を持っていくのすら、億劫になることもありました。困ったときだけ付き合う関係ですね。

そんな、A氏と出会い、紹介されたのが、第一勧業信用組合だった。
「地域とのふれあいを大切にし、皆さまの幸せに貢献いたします」という言葉がミッションにあるように、地域のために動いていることはわかったが、最初はA氏の実績で第一弾の融資を実行してもらうに過ぎなかった。

■大きな変化

ただ、そこから先の言葉を実践すること、そして何より地域のビールをリリースするということもあり、こまめに現状などを報告するようになっていきました。本当些細なことで、例えば「今月〇〇日、どこどこで出店するので、よかったらお子さん連れて遊びに来てくださいね。」とか「こんなお店との撮りきが始まりました」などでした。

その流れで僕と同世代の若きT支店長に変わってからは、より関係を親しくさせていただき、地域のイベントに出店できる情報があれば教えてくださったり、商品を率先して買ってくださったり、イベントをこちらがしていたら顔出してくれたり、一方的ではなく、双方向でこれまでにない関係性を築くことができました。

それは明らかに今までの銀行との付き合い方とは違うものとなり、パートナーだと言える感じでした。何より、地域の人たちに届けたいという思いに共感してくださり、ともに行動してくださってる姿に、勇気をもらいました。

以前、知り合いの方の親御さんで元大蔵省の方と話をした時に、「本当は社会に貢献するような事業にどんどんお金を貸し、ともにその世界を作るパートナーでありたい、だけどそれができていない」というような話を聞いたことがありました。

おそらく戦後は、日本人全てがエネルギッシュであったのだろうと思いを馳せたし、そして実際に成長がみて取れて、押せ押せだったんだろうとも思います。だからこそ金利もあっただろうけど、意志や思いについてくる部分も多々あったのでしょう。

だけど、貸すのも人間である以上、ただ理想を掲げてお金を出してもらうというのではなく、日頃の関係がとても重要で、そこでの付き合いに対しての出資だったんではないかなと気づくことができた。人間関係ですね。

■とは言え、大事なこと

もちろん、潤沢な売り上げがあって、営業が来るくらいであれば別だろうけど、お金だけの関係にとどまらず、地域や社会の貢献という共通目標があった方がやりがいがあるし、パートナーになりやすいなと感じています。これは銀行に限ってではなく、受注先も発注先も同じ、つまりもうそういう上下の関係だけで通じる時代では無いと言うことことですね。

そんなこんなで、二人三脚とはおこがましいのですが、日々とはいかなくても定期的に銀行と関係を作っておくことって大切な仕事だというお話です。

そして、このコロナの中でなかなか条件的に、手助けをお願いできるところがない中、真っ先に手をあげてくれて、未来への道を作ってくれたのもT支店長でした。頭が上がらないのはもちろんですが、うちがちゃんと売上を作り、利益を生み出し、返済を滞りなくしていき、また新しい事業をするときに、パートナーになってもらう、そしてそれが地域の新たな活力になる。そんな循環を作っていかないといけないですね。

給付金も大事ですが、お金を借りることによって銀行との信頼関係を深めることができたという素敵な話をお伝えしたいと思った次第です。そして何より自分の事業を客観的に見るという点でも大事だし、さらに税理士さんとはまた違った、僕の場合でいえば高校の先輩の存在。税理士の方とは全く異なる視点からアドバイスを受けることができたことは幸運だったなと思っています。

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