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ビアガーデンをやる2つの理由

先日、ビアガーデンプロジェクトを発表いたしました。早速お力を貸してくれると表明してくれたり、シェアしてくれたり、本当にありがとうございました!

今回、このプロジェクトを立ち上げるにあたって、本当に色々と考えました。僕らの挑戦をどうやって自分のことのように感じていただけるか、そもそもそんなことをお願いしてよいのか?

改めて、話しますと、この場所を借りようと決めた1番の理由は、この場所でビアガーデンができるということが1番大きな決め手でした。

先日も書きましたが、20年ほど前まで、大森にはアサヒビールの工場がありました。そこにはビアガーデンがあり、大森の人だけではなく、色々なエリアの方が来られたそうです。僕らは規模では到底足元にも及びませんが、かつて賑わいを見せた大森のビアガーデンを復活させたい。大森の人にはもちろん、近隣エリアの方たちにも楽しく使っていただけるビアガーデンを作りたい。

そして、このビアガーデンが、これまで僕らがやってきた、「大森の魅力を伝えられる」ような場所になりたい。
この場所に来たことがきっかけで、大森に興味を持ったり、友だちができたり、安心して通えるお店が出来たり、そんな入口のような場所を作りたい。その入口が楽しければ、きっともっとこのまちは楽しくなる。そんな風に考えています。

■プロジェクト立ち上げの背景

ちょうど10年前、僕が30代前半の頃から、自分の子どもたち世代へのアプローチが出来ないかということで、商店街のお休み処「アキナイ山王亭」の上の階に事務所を移し、地域活動をボランティアとして始めました。子ども向けのキッザニア的な企画やお祭りなど、地域の人たちと連携して、まちに楽しみを作りたいと色々な活動をしていました。

そんな中で、「まちづくり」というと言葉ではちょっとハードルが高いし、見えにくい。もっと気軽に参加できる余地が作れないかということで、人と人の間をつなぎたいと「クラフトビール」を事業として立ち上げました。そんなに簡単に順調にいったとは言いにくいですが、地域の企業やお店、何より個々に関わってくれたスタッフやチームメンバーに恵まれて、事業を始めて4年、少しずつ形になってきました。ボランティアで活動を行っていたときに始めたコミュニティ、その進化版である「サンデーカンパニー」、そしてこの1月から始まった「学校」が、今の僕らを支えています。

そんな中、昨年大きな転機を迎えることになりありました。
それまで僕らの活動拠点であったアキナイ山王亭、色々な事情が重なり、昨年の年明けに、半年後に退去することが決まりました。
そのため急ピッチで次の拠点探しですが、運良く、八景坂ビルという素敵な場所と出会うことができましたが、なんとか営業できる形にするのに、12月までかかってしまいました。

アキナイ山王亭の最後

当初この場所は事務所兼クラフトビール屋、なんならまったく別の「+〇〇」までも考えていたのですが、2つの理由により、改めて最初の思いである、「ビアガーデン」に舵を切ることを決めました。

1)大森駅に興味を持ってもらうきっかけづくり
大森駅は知る人ぞ知る、単線駅、日本一の乗降客数の駅でした。それがコロナの影響で在宅勤務をする人が増え電車の利用機会が減ったこともあり、数年後には一位陥落の可能性があります。
また、隣の大井町や蒲田に比べると、特にコロナ以降、夜の人出が少ないなと感じますし、飲食店をやっている方たちからもそんな声をお聞きします。

どうやって大森を盛り上げるか、そもそも大森まで足を運んでもらうか。そのためには、大森にここしかない場所を作らないといけないと考えました。
そうすることで、これまで行ってきた例えば、大森駅前でのOMORI KAORU MARKETだったり、商店街でのイベントだったりと掛け合わせることでよりここでしかできないを作り上げることができないか、そしてそのようなイベントを楽しんでいただいたあとは、大森にある色々な素敵なお店を回ってもらい、この町を楽しんでもらいたい、そう考えました。

今年はバージョンする予定の「OMORI KAORU MARKET」

僕らの大森山王ビールは「大森を楽しんでもらうきっかけづくり」という思いでやってきました。その思いをこのビアガーデンにも込めています。

2)ビールに興味を持ってもらうきっかけづくり
ちょうど先日、スタッフの紹介もあり、大日本麦酒を作った東洋のビール王と呼ばれた馬越恭平さんを紹介した「負けず」という本を読みました。彼は当時高かったビールをどう一般の人に飲んでもらうかを考え、当時日本にはなかったビアホールを作ることで、ビールに遠い人に楽しんでもらう機会を作りました。

福澤諭吉とも直接話していて、「是は麦酒にて、その味至て苦けれど、胸膈を開く為に妙なり。亦人々の性分に由り、其苦き味を賞翫して飲む人も多し」の言葉からも影響を受けたと書いてありました。このビアホールは結果として、あらゆる立場の人たちが席をともにし、身分関係なく乾杯を楽しんだそうです。

そこから100年以上たった現代。クラフトビールという言葉がだいぶ浸透してきたように感じますが、先日キリンさんが発表した資料によると、まだ約8割がクラフトビールを飲んだことがないという恐ろしい数字でした。実際、昨年から、最近急激に復活した、日本全国での各種イベント、特にビールイベントなどを見たり出店したりして特に感じるのは、ビールだけが楽しみでその場所やそのお店に行くかな?という疑問。そして、自分が例えば高校の同級生なんかで飲むときに、クラフトビール行く?ってなかなかならないことから、やはりまだまだ身近でないと強く感じています。

これまで僕らはビールにこだわり、ビールを楽しんでほしいとやってきましたが、これからは、どうしたら、ここしかない「ビールを超えた楽しみ」を作れるか。そのために、ビールを中心に人が集まる「ビアガーデン」を作るという選択をしました。

馬越さんが行ったように、ビアガーデンというハードルが低いものを用意することで、僕らのビールを大森のビールと思ってもらい、そして大森を楽しんでもらう。

それが僕らの出した答えでした。

これまでまちづくり→クラフトビールとやってきた僕らだからできるビアガーデン。一緒に楽しみませんか??


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