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ビール屋が描く未来のみちとまち

昨日noteを公開して、ハッシュタグ #暮らしたい未来のまちっていうのを見つけました。これまでずっと「まち」を意識して活動をしてきましたし、たぶんそれは永遠のテーマな気がしています。

ビール屋の僕にとってどんな未来が良いかなと考えてみました。

大きく言うと前に下記に書いているのですが、

・「まち」は作れないということ。
・「みち」を作ることで、まちの中に「みち」が出来て、その総和が「まち」ということ。
・その「みち」を作るために、僕らはビールや企画を使っていること。
・「みち」は人だけにあらず、過去も歴史も未来という時間、音楽や映画などの芸術、世界を知る教育他、興味をもつものであること。

そんな風に考えていますが、今僕らができること、やろうとしていることから大きく2つ考えました。

1)グラウラーでビールを汲みに来た人同士で挨拶で溢れるまち

今、大森山王ブルワリーでは、グラウラーでの量り売り販売に力を入れています。新鮮な樽生ビールがおうちで楽しめるということが何よりですが、ゴミは出ないし、瓶などで買うより安く買えるし、お得なことしかありません。

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かくゆう僕は、これまでは卸してくださっているお店で飲むと決めていたのですが、今それができません。
その代わりに自分自身もグラウラーを使って、夜ご飯に合わせて、「今日はなんのビールにしようかな?」と毎日楽しく選んでいますし、家に帰って片付けなどして、1杯目に「今日もお疲れさま!」ととても幸せな気分になります。

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もちろん、缶の「プシュ」、瓶の「ポン!」も良いんですが、グラウラーから樽生を注ぐというのがそのまちに住んでいる(遊びに来た)特権なんじゃないかと思うのです。

平日はなかなかそこまでですが、土日はグラウラーをもった人がお店前で並ぶという光景があるのですが、そんなグラウラーをもった人同士が会話してたり、「さっき大森山王ブルワリーのグラウラーもってる人に会いましたよ〜」なんて教えてもらったりすると嬉しくなります。

かつて井戸端会議が井戸に水を汲みに来たことから、会話が生まれたように、僕らが持つ場所にビールを汲みに来ることから、挨拶や会話が生まれたら良いなと思っています。

ということで、このグラウラーを是非体験して欲しいと、月額制グラウラーレンタルサービスを開始しました。緊急事態宣言も延長したことで、初月無料にしたいと思います。

グラウラーは大森山王ブルワリーのビールだけでなく、日本全国いや世界中の醸造所で汲むことができる、世界をつなぐパスポートなのです。
ローカルとグローバルを楽しめるきっかけ=グラウラーでトラベラーできたら幸せです。

2)まちの未来をまちの事業で!

2021年8月8日に大森山王ブルワリー第5弾「CHIYO」というビールをリリースしました。

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大森が文豪たちで賑わいを見せた「馬込文士村」を隆起させた一人である「宇野千代」さんから拝借しました。様々な問題を抱えるこの日本は、東京オリンピックが終わると同時にこれからはいよいよ下り坂になっていくかもしれない。たとえGDPなどの数値的にはそうかもしれないけど、豊かにすることはできるのではないか?そんなことを考えるきっかけになればとあえてオリンピックの閉会式である8月8日にリリースしました。

そして、この未来というのをテーマに掲げるときにいちばん大切なこと、それは主語を僕らではなく、未来の世代に変えることが必要なんではないかと、数々の議論を重ねるうちに感じるようになりました。なぜか、それは今起きているあらゆる問題の主語が、目に見える誰かや自分であるから、利権・忖度、、、だから全てが損得勘定になってしまう。

だけど、主語を未来の世代に変えることができれば、優先すべきは損得じゃないはず。

それであるならば、たとえ今あるAというプロジェクトが失敗だったとしても、それは未来から見たら成功かもしれない。そんな未来を見据えた繰り返しこそが歴史であり、層になっていると考えると、今我々が活動を続ける大森は大森貝塚という考古学発祥の地、すなわち太古の昔から、人々が営みをしていた。だからこそ、この大森からできることなんじゃないかと思うようになりました。

今の僕らの行動は、過去の賜であり、全て未来のためにある。
そんなことを宇野千代さんの生き様から学びました。

また、1)で上げたグラウラーは、昨年から続くコロナ禍でのビールの持ち帰りアイテムとしての利用頻度はずっと高まっていて、下記のようなメリットがあることから、グラウラーを促進し、ゴミを減らしながら、そこで出たこれまでコストだった費用を未来に還元しようと決めました。

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具体的には、利用頻度が高まっているグラウラー、エコカップを利用してビールを購入した場合、1000ml=50円を未来の世代のために還元していきます。どんなことに還元するかをまちの人たちと話せる場を作っていきます。

題して、CHIYO CO RATE(チヨコレイト)。ちょこっとの割合(RATE)を未来に移すという意味です。

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例えば、

・小学校や中学校などと連携し、「まちにこんなものがあったらいいのにな」をともに実現。
・夢を持ちながら、なにか障壁があって挑戦できない場合の支援に使用。
・まちのプロジェクトを見える化し、容易に参加できるシステムを作る。

など、未来のために使う費用とします。
ちなみに、8月は、156,214ml=7,810円となりました。まだまだ微量ですが、続けていきます。

■CHIYO CO RATE(チヨコレイト)にかける思い

これはお客様との共同事業だと考えています。購入するという行為が未来につながる。そんなことを体験していただくのは、もちろんのこと、

どんなことにその売上を還元するか?その対話の場を作っていくことこそに企業としての意味があるのではないだろうか?そしてその過程を残していくことが大事なのではないだろうか。

それはひょっとしたら100年前の大森で行われていたものかもしれないし、かつて「大森放送局」と言われていた、その現代版なのかもしれないと考えています。

過去に学び、未来のことを言い訳、つまみにして、僕らも今を楽しむこと。それこそがビール屋だからできることなのかもしれないと考えています。

■まとめ

なんだか話が長くなってしまいましたが、ビール屋がまちに根ざし、様々なみちを作ることで、作れるまちがあるんではないかと思いますし、そんな「みち」がたくさんあるまちこそ、自分が暮らしたい未来のまちだと考えています。


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