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UPSIDERのミッション進捗は1%以下🔥~ 資金調達467億円の先にある挑戦と課題~

こんにちは。UPSIDERの共同創業者の宮城です。
はじめに言っておきます。長いです、このブログ。

私たちが467億円の資金調達を発表してから、1ヶ月ほどが立ちました。
日本を代表する金融機関の方々に格別なご支援を頂き、スタートアップ業界では史上最大規模のデットファイナンスを実施しました。

そして、1週間ほど前には、Forbes様の「日本の起業家ランキング2023」にて弊社を10位に選出いただきました。
錚々たるTOP10の中でも、弊社は最も歴史が短く、圧倒的に従業員数が少ない50人ほどの会社です。身の引き締まる思いです。

地道に積み上げてきた実績を評価いただけることは、とても光栄なことです。おかげさまで、認知度も格段に上がってきたと感じています。
お客様、パートナー企業の皆様の、温かいお力添えのおかげです。誠にありがとうございます。

2018年の創業から2年間も潜ってステルスで準備していた時期があったので、その時代からお世話になっている方々にとっては、感慨深いものがあるでしょう。「あいつら、ついに地上に出てきたな・・・笑」と。主要提携先と上手く行かずに話が頓挫したこと、最初に出したサービス(法人間決済の領域)がスケールすることが難しくてクローズせざるをえなかったこと、そうこうしているうちにコロナがやってきてプロジェクトの進捗が遅くなったり・・・など、いくつかの死の谷をくぐり抜けて来ました。
「法人カードなんてすでに市場が成熟してるでしょ」とバカにされ続けても、お客様の役に立ちたい一心で、地を這うように、ここまで何とか生き延びてきました。

— 「UPSIDERさん、すでにけっこうできあがってる感じだけど、この先はどうするの・・・? そんな資金調達しちゃって。」

そんな中、最近、周りの方々から、意外な質問をいただくことが多くなってきました。
「そんな多くの資金を調達して、いったい何に投資するの?」
「もう、ひとり勝ちが決まってるんじゃないの?」
「すでにできあがってる感じだけど、この先はどうするの?」
というような質問です・・・・。
山をけっこう登ってきているように見えてしまっているようです。

正直、めちゃくちゃ驚いてます。
「ええぇぇ!!そんな感じに見えてるんですか!?」という感じです。
自分の感覚と違いすぎて。
私は「こっからっす!!!!!」という気合いで満ち溢れてます。
これまでは準備段階で、やりたいことの本丸は、ここからです。
感覚的には、1%にも達してません。

山登りの例を使うなら、登山口にすら立ってないという認識です。
人生をかけて登りたいエベレスト級の山が、雲の中からおぼろげなら姿を現したので、一緒に登るタフな仲間たちと、装備を揃えながら、登山口に向かっているところです。
そんな心持ちで、狭い部屋に籠もってパソコンに向かう、今日この頃です。

ビジネスで例えてみるならば・・・「1997年のAmazon」という感じでしょうか。
事業開始から2年ほどで、当時のラインナップは本だけですし、アメリカ以外の国には進出していませんし、AWSなどのEC以外の事業もありませんでした。
当時のことは私は詳しくは知りませんが、おそらく「ただ本屋がオンラインになっただけだ」とか、外野からは批評されていたはずです。
今のUPSIDERは、そのような時期だと思います。

なので、このブログでは、これからのことを書きます。

「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」
という私たちのミッションが、そもそもどれだけ大きく意義のある話なのか。
その目標に対して、現在地がどれだけ歯がゆい状態なのか。
少しでも伝われば、と思ってます。

※467億円の調達ストラクチャーや資金使途などにご興味を持ってくださった方々、申し訳ございません。今回は、ファイナンス系のブログではありません。

— 手短に基本情報から

資金調達のプレスリリースは見たことがあっても、実際に何をやっている会社なのか、知らない人も少なくないと思います。

UPSIDERは、ビジネスの「お金」を呼吸感覚まで自在にする会社です。
この背景や価値については、後述します。

現時点ではまず、ビジネスの「支払い」から変えていってます。
法人カード「UPSIDER」と、ビジネスあと払いサービス「支払い.com」を提供しており、利用社数は5,000社を超え、累計決済規模は500億円を超えています。
「スタートアップにサービスを提供している」という印象が強いかもしれませんが、いわゆる従来型の中小企業の方々や、上場企業の方々にも多くご利用いただいています。

お客様から「ガラケーからスマホ並みの体験の変化」と言っていただけるほど、これまでの金融業界になかったような、提供価値・体験のアップデートに取り組んでます。
これらのサービスにピンと来ない方には、こんなイメージを持っていたいただきたいです。キャッシュレス化の波が、企業間取引にも波及し、より極端な体験の変化として始まっている、と。
足元では、年間成長率10倍以上で売上が増加しており、1~2ヶ月ごとに景色が変わるような、そんな状態です。

そんなことを、50人そこらの組織(2022年12月1日現在)でやっていまして、マッキンゼー出身の私(宮城)と、ユーザベース出身の水野の二人が、共同創業者であり、共同代表を務めています。

株主には、国内の大手ベンチャー・キャピタルに加えて、Facebook、Spotify、Alibaba、Slackなどに投資してきた世界的なベンチャーキャピタルのDST Global Partnersなどが入っています。


— 「挑戦者」のために

さて、「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」というミッション・ステートメントの中で、もっとも重要なのが、「挑戦者」という対象です。

共同創業者の水野と創業アイデアを練る段階から、「挑戦者」をお金の面で支えるサービスを構想していました。プロダクトの訴求価値や機能が固まっていない段階からです。

私たちの言う「挑戦者」とは、現状に課題意識を持ち、事業に邁進されている方々です。必ずしもスタートアップだけを指しているわけではないですし、BtoBやBtoCというカテゴリすらまたいだ概念です。

スタートアップ(上場/未上場)は象徴的ではありますが、私や水野の実家がそうであるように、中小企業を営まれている方々や、個人事業主やインフルエンサーのような方々も該当します。

「企業」という箱をお客様として捉えるのではなく、事業を営まれている個人(経営者/役員/社員)の中で、現状を打破しようとしている方々をお客様と捉えています。

お客様がどんなに小さくても、業態や世代・地域が違っても、私たちとしては、お客様を「挑戦者」と捉え、リスペクトします。逆に、この定義に当てはまらない場合は、UPSIDERのお客様ではありません。

「挑戦者」という対象の総量からすると、現在の私たちは、ごく一部の方々にしかサービスをお届けできていません。とても歯がゆい状態ですし、より多くの方々に価値をお届けできる広大な市場が目の前に広がっています。

— 「支える」という立場

私たちのカルチャーの特徴的な部分であり、日々の行動に大きな影響を与えている要素です。

端的に言うと、お客様が主役であり、私たちは支える立場です。そのことを肝に銘じて事業を運営しています。私たちは、お客様と対峙する立場でないですし、上から評価する立場でもありません。

例えば、私たちの採用ページでは、ファーストビューにお客様を掲載させていただき、お客様のウェブサイトへの動線も置かせていただいています。カンファレンスやタクシー等で流す広告動画についても、少しでもお客様の宣伝も兼ねられるように心がけています。
採用ページのファーストビュー(2022年12月現在):

動画広告のファーストビュー(2022年12月現在):

こうしたブランディングだけでなく、プロダクトの設計から、カスタマーサポートや与信まで、お客様を「支える」立場であることを、強く意識しています。

大前提として、ビジネスモデルもそうなってます。お客様が成長すれば、決済額が伸び、私たちの売上が伸びます。だからこそ、お客様と「テーブルの同じ側に座る」ことができます。

「そんなの当たり前じゃない?」と思う方もいるでしょう。ですが、私たちは、この姿勢・人格を貫き、日々を積み重ねることで、中長期的には、天と地ほどの差ができると信じています。

このようなユニークな姿勢・人格を維持・進化させながら、組織を急速にスケールさせていくことは容易ではありません。そんな壮大で過酷な実験を私たちは開始しており、ひいては、それが金融業界をより良い方向にアップデートすることに繋がると信じています。

余談ではありますが、実際は、支えられているのは私たちの方です。UPSIDERのこれまでのプロダクトの進化や激しい成長カーブは、お客様の率直で温かいフィードバックや、お客様の成長・紹介によるものです。本当にありがとうございます。

— 「世界的な」というスケール

「世界的な」については、「挑戦者」や「支える」と違い、定義についてとやかく言う話ではないと思います。

ただ、世界に展開することが、お客様ひいては社会に対して莫大な価値を生み出すという確信があるからこそ、「世界的な」という目線感を置いています。

例えば、私たちが解決する課題は、世界的に共通しているという事実は重要です。欧米や日本、アジアやアフリカなど、地域によってインフラやタイミングの違いは多少存在しますが、ECやSNSが世界的に台頭したのと同じように、全世界で共通する今後の「波」です。

加えて、私たちが世界に展開をすると、日本のお客様にとって良いことが起きます。ビジネスの世界には、世界展開をしても価値が変わらないビジネスと、世界展開をすることで価値が著しく変わるビジネスがありますが、私たちのビジネスは、まさに後者です。

これ以上の具体的な話は、このブログでは割愛しようと思いますが、そういう必然性があるからこそ、掲げています。「世界的な」というスケールを。

現在はまだ、サービス自体は日本市場が対象ですが、創業期から社内公用語を日本語・英語の併用にしてきましたし、メンバーの拠点は、東京だけでなく、ロンドンやNYにも散っています。そして、日本のスタートアップでは稀なくらい、海外の株主がいます。そういう組織的なところから準備を進めています。

— 「金融」という価値

挑戦している方々には、お金の悩みがつきものです。これは、個人・企業にかかわらず、共通です。

例えば、個人で考えたときに、家族を持って保険には入る、留学しようと思って奨学金を借りるなど、何かしらの「生活の変化」が発生するときにお金の悩み・アクションに直面します。

ビジネスの世界で考えてみても、新しい事業・市場に投資する、新しい取引先と取引する、等の自発的な挑戦にお金の悩みが付いてきます。そして、円安で仕入れが高くなったり、大きい顧客を失った等、受動的なチャレンジにも、お金の悩みが付いてきます。

ただ、これまで、ビジネス向けの「お金」に関するサービスは、歴史やリソースのある大企業向けに作られてきました。利用には、高い信用力や、多大な業務工数、深い知識が必要です。

私たちは、挑戦している方々がリテラシー、実績、リソース(人員)がなくても、呼吸感覚まで自在に扱えて、お金に関する適切な判断・アクションが簡単にできるサービスを創ります

そのために、サービスの体験・設計をゼロベースで考え、創っています。これまで世の中にあったサービスの延長線上で考えるのではなく、お客様の課題や目的を踏まえて、シンプルな解決策をゼロから創っています。

私たちは、現在2つの事業はいずれも、そのような価値を提供しているんです。この事業をやっている一番の喜びは、日々、挑戦している方々から喜びや感謝の声が舞い込んでくることです。

現在の2つの事業は「支払う」がドメインですが、そこを入り口に、あらゆるお金の課題を解決していきます。PayPayが「決済」を起点に金融サービスを広げているように。
現在の私たちのプロダクトでは、お客様の課題・お悩みのごく一部しか解決できていないので、お客様のご期待にお応えできておらず、とても歯がゆく思っています。
そういう意味でも、私たちの現在地は、まだまだスタートラインに立ったばかりなんです。

ところで、「金融」というものに距離を感じるという方が、少なくありませんが、それは、「今の金融サービス」に対して身近に思えないだけという可能性があります。形や体験やブランディングが変化すれば、一気に身近に感じるのでは、と。そういう変化を生み出す余地があるのが、金融領域の面白いところでもあります。


— 「プラットフォーム」という仕組み

ここの構想の話は、このブログでは踏み込めないので残念ですが、私たちは単純に既存の金融サービスの体験をアップデートしている会社ではない、ということがエッセンスです。

GAFAを代表とするプラットフォーム・ビジネスは、一方でエンドユーザーにとって日常で欠かせないインフラを提供し、他方でビジネスがエンドユーザーに効率よくリーチできる場を提供し、その双方が互いに相乗効果を生むような仕組みになっています。

私たちも、お客様に対して、日常で欠かせないインフラをご提供するだけでなく、金融業界の構造をアップデートできるよう、多面的な新たな仕組みを創っていきます

語弊なきように補足しますが、大手金融機関の方々は、その変革のパートナーであり、今も多くの金融機関の方々に、日々お世話になっています。お力添えくださり、誠にありがとうございます。

プラットフォーマーになって多面的に価値を届ける(様々な立場の人々のお役に立てる)可能性を十分にひめたビジネスですので、それがめちゃくちゃワクワクしますし、「こっからっす!!」と心のエンジンがフル稼働している理由でもあります。

— 「創る」という使命

私たちのミッション
「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」
の最後のピースになりました。

ここが意外と重要だったりします。

私たちが創業したのは2018年の春。当時は、法人カード領域、法人間決済領域に波が来るなんて、誰も想像していなかったと思います。当時はまだ、アメリカでさえ波は来ていなかったです。

そこから、この領域にコミットし、お客様とともに、新市場を切り開いてきました。いずれ来る波を信じて待っていたわけですが、来た波をムーブメントと呼べる大きさにした自負はあります。

先日は467億円のデットファイナンスを発表しましたが、スタートアップのデット調達が難しいと言われる日本において、その水準を変えていく一助になれればと願って公開しました。

いずれの例も、共通して言えることがあります。

すでに目の前にある波に乗るのではなく、将来的に来る可能性のある大きな波を信じ、他社がやっていない実験を繰り返し、実績・ムーブメントを自ら創っていく、という使命です。

これから、新規事業がいくつか立ち上がりますし、財務や人事などの機能もどんどん進化していきますが、事業軸でも機能軸でも、このスタンスを崩さずに持ち続けます。例えば、「THE MODEL」が近年の日本では流行りましたが、そのような先人の知恵を学びながらも、新たな型やトレンドを創ることにも挑戦していきます。

それが、UPSIDERの使命ですし、UPSIDERメンバーの仕事です。

— 最後に

「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」という私たちのミッションについて、紹介させていただきました。

冒頭で「1997年のAmazon」を例えに出しました。当然、Amazonと私たちが全く同じとは言えませんが、類似点は少なからずあると思ってます。

Amazonは、ロングテールの本を市場に開放しました。そして、本から他の商品カテゴリをカバーし、全く新しいプロダクト(Amazonという)を創り出しました。Amazonの進化により、人々の生活は一変しましたが、1997年当時は、そのポテンシャルを誰も想像できなかったと思います。

私たちも、ロングテールの企業に金融サービスを開放しています。そして、「支払い」から他の金融カテゴリをカバーし、全く新しいプロダクト(誰もまだ知らない)を生み出していくという観点で、事業に莫大な広がりがあります。私たちが思い描く未来のイメージは、今は多くの方には想像もできないであろう、規模が大きく社会的な意義があるものです。

私たちが、より多くのお客様のより深い課題を解決し、ひいては大きなインパクト・変化を社会全体にもたらすのは、これからです。その確信やポテンシャルがなければ、これだけ人数の少ない会社が、これほど大きなお金を出資いただいたり、お貸しいただくことはないでしょう。

今日は、それを伝えたくて、ブログにしました。

なので、今から入るメンバーも、まだ創業メンバーです。長い目で見れば、私たちはまだ創業期なので。将来的に入ってくるメンバーからすれば、「え?Amazonが本しか売ってなかったときにジョインしたの?」みたいに思われることになるでしょう。

私たちは、未来を一緒に創る仲間を募集しています。

  • 既存のプロダクトのグロースを最大化したい

  • 新規プロダクトを立ち上げたい

  • 財務や人事などの機能軸で新しい常識を発明したい

これらに該当し、ミッションに共感してくれる方がいらっしゃいましたら、
私たちに力を貸していただけませんか?
すべての職種で、全方面で募集しています!!
では。


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