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【ネタバレあり】少女事案〜読後記録と猫耳ゴスロリ小学生とギブアンドテイク〜

この記事は少女事案とgive&take「与える人」こそ成功する時代のネタバレを含みます。大見出しによって、場所は指定してありますが、特にまだ読んでない方で楽しみにしている人は戻ることをお勧めします。


はじめに

ゆんみ先生の新しいwork(英語で作品、仕事という二つの意味がある)として少女事案が発売されたので日本に帰国して最初に購入した書籍となった。

ゆんみ先生とは

ゆんみ先生は非常に作風がメンヘラでアンチリアリティな小学生を描くことに長けた(というか観測上それが好きな)イラストレーターさんである。コミケでふらふらと歩いているところ、正直かなり好みな作風でのイラストがあったので、そこから応援をしている。私がスッタフしているコミケではこうした出会いができるところがいいところだと感じている。この文章を読んでいるあなたにも是非とも足を運んでほしい。冬コミは12月30日と31日である。
なお、私の記憶と予想が正しければ、サンリオキャラではクロミちゃん好きなはずである。

クロミちゃんと言えば…

最近、クロミちゃんは誕生日を迎えている。10月31日である。確か、さらささんとか、ゆっきーさんとかも好きだったなと思い出したりした。
ちなみに新商品の辰をイメージしたグッズはもふもふしてにっこしてしまう商品になっていた。

少女事案において印象深い要因

個性的なキャラクター

はてさて、少女事案では、やはりキャラクターの個性が目立った。やはり雪見さんは他の人を思っているが、大胆に行動する性格は自分でも意識しいる点ではあるのでどこか他人事とは思えなかった。

せっかくなので、雪見文香さんについて少し掘り下げてみよう。
いわゆる心の中の天使と悪魔下記の通りである。
天使:誰かの不幸の上に自分だけが幸せになるのではなくいたい
→最近のZ世代に見られる人間関係の強さによる性質である
悪魔:一人で背負うとする、ある意味での傲慢さ
→迷惑にならないようにしている行動が翻って迷惑になってしまっている

物語でのブレイクポイントはこの悪魔の退治である。しかし、この自己の性格を客観視できるのは幼さとはかけ離れている。この点は言葉にするなら、小学生とは思えない大人びさでフィクション感がありとても魅力的であることだ。この点は後述する西尾維新作品において登場する少女によく出ている性質でもある。例えば、八九寺真宵さんがここにあたるだろう。

イラストの相性

やはり、ゆんみ先生のイラストが印象通りというか、逆説的な印象通りであるのも大きい。西条陽先生の過去作には今回以上に(個人的にはいい意味で)酷くドロドロした作品、わたし、二番目の彼女でいいから。がある。

ここまでではないにせよ、かなり人間関係が絡み、感情が複雑化している表情を小学生に落とし込んだゆんみ先生には脱帽しかないだろう。

過去の少女作品との共通項

また、表紙タグの作者紹介にあった「少女地獄、推定少女、少女不十分。そして少女事案。つまりはそういうことなんです。」からも非常に心を揺さぶられる。
これら3作品とこの少女事案の共通点は(きっとあなたが反論したくなる内容もあるだろうから、それを教えてもらえればと思いますが)3つほど。
1:すべてに少女が出てくる。ただし、年齢には差があるが、しかし読んでいると明確にその未完成さゆえに少女がキーパーソンであることを疑わない。
2:ライトノベルレーベルであるにも関わらず(もしくは短いか読みやすい文体であるにも関わらず)登場する少女たちの想いが重い。
3:大人が読むと大いなる違和感を覚えるような内容になっている可能性がとても高い気がする(私はまだ、大人になれていない気がする)

さらに踏み込んで書くと特に少女不十分との対比として

少女事案・・・男子高校生が女子小学生を飼う
少女不十分・・男子大学生を女子小学生が飼う

というものがあり、男子高校生だった私が少女不十分をバイブルに物書きをし始めた身としてはなんとも懐古するには十分すぎる状況だったりする。

また、小学生らしさが随所に散布されていたのが良かった。これは小学生を担当する塾講師としてはきちんとリアリティがあるところ必要によって現実味のないところの対比が非常に気持ちが良く、ここまで書き切れるのかと痺れたところだった。

「ヒーロー着地が好きなんです!」

p72

「物部さんが見たっていう再放送のアニメ、今日はやってないんですよ(後略)」

p152

「班での活動や、(後略)」

p190

そういって、俺のほっぺに(ちゅう略)
自分でやっておいて恥ずかしがるとはまだそこは小学五年生だな、と思った。

p301

(考察&ネタバレあり)事件回避と雪見が好きになった理由づけ

ここからがっつりと少女事案とgive&takeの内容のネタバレになるので注意してください。

二人の共通点

事件の首謀者である敵と雪見には、特に幼さと強すぎる力がある共通点が存在する。

首謀者は人を簡単に動かせると考えている驕り
雪見は自分で全てをうまくできると考える驕り

首謀者はそれをかなえる周囲の環境や能力
雪見は未来を予知する能力

しかし結果としてこれらがモラル的に悪いもの、いいものへと差があったのは彼らがテイカーかギバーかの違いがある。

首謀者は明らかなテイカーであった。

なおテイカーの定義は

与えることよりも多くを受け取ろうとする人

である。

実はこのテイカーからギバーへの転身は難しく

与えることを昇進のように外的な理由にできる時には自分がギバーとは思わず

p371

となってしまう。それでは、どうしたらいいのか。それ自体が雪見さんのした繰り返しの行動である。

自分の瀬卓によって繰り返し人に与えていると、与えることを自分の個性の一部として内面化するようになる。

p371

雪見さんが最後にあんなふうに感じたのもこの結果ではないかとも考えられると同時に、もし事件を回避する方法があるなら、事件の首謀者自らが…

あの歳で猫耳ゴスロリコスプレをして、主人公と一緒に暮らす

ことである。はて、それができたら最初からそれ自体が事件にもなりそうだが、それはまた別の話であろう。

それでこれらを踏まえて私がどうするかというと

昨日に高尾山に登りながらぼんやりと考えていたことがあって

なんか、少女シリーズに是非とも一冊加えたいので、例えば耐量子少女とか、数学と絡めて書けたらいいなと思った。それこそ、ギバーとして頑張って行動すると同時にもう直ぐにコミケなので書きたいと思っています。
いや、少女繋がりで数学ガールを想像した人はなんかいい線言っていると思います。いや、先に修論をやる必要もありますけどね。
そんなわけ中腹あたりの神社でそれ関連の願い事をしたわけで…これこそまた別の話

ギバーとしてコミケスタッフC103も頑張ります

まだ、目には悪いヘッドラインは出ませんが、きっともう直ぐにカタログは目に浮かぶようになるかもしれません。その時は雪見さんのように廃人とかしているかもしれません。
当日会えた人はご挨拶しましょう。

今後のお二人の活躍を祈っています

西条陽先生は前作をほんのり知っていましたが、ここまで面白いとはと盲点でした。今後作を楽しみにしています。
ゆんみ先生はコミケ出展するらしいのでクロミちゃんの差し入れができたらと思います。

追伸:ピューロランドの免税店

ピューロランドの免税店がサービス終了しました。今年一年の中で長い間、あのカウンターにいたので残念ですが、今後ともエントラスショップにてそれこそ、ギバーとして頑張っていこうと思っています。


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