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音楽でご飯を食べていく為に今からできること【高校→就職まで】

【自己紹介、書こうと思ったきっかけ】

初めまして、あぴはぴと申します。
会社員として作曲家を、副業でゴーストライターをしている者です。

今回は表題の通り「音楽を仕事にしたい!」という若い方に向けて、僕の人生経験を通して有意義な情報を発信できればと思います。
※「音楽で」と書きましたが、今回は主にDTMによる楽曲データを作成する作曲家として仕事をすることを目標とします。
楽器プレイヤーやエンジニア、サウンドデザイナーなどに関する情報はもっと詳しい方の意見をご参照ください。

書こうと思った経緯としては、ありがたいことに本件について高校生の方から質問を頂いた為です。
その際は文章で返答するのが難しかったので口頭で考えをお伝えしたのですが、話した内容をテンプレ的に書き起こしておけば便利かなと思い今に至ります。

ですので、本記事を見てもっと知りたいことなどがあれば是非あぴはぴのTwitterなりにご連絡頂ければと思います。
Twitter
https://twitter.com/IloveB_Mars
Mail
upperhappier@gmail.com

では本題へ。

【はじめに…】

早速ですが「音楽を仕事に…」と言いましたが、ざっくり2つに分けて定義付けしたいと思います。
・会社員クリエイターコース
・フリーランスコース

今回は僕の経歴を元に「会社員クリエイターコース」を目標として書きたいと思います。飛び込む業界は、個人的にオススメな「ゲーム業界(社内コンポーザー)」とします。

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【第零章:準備】

まず初めにやってほしい事として
「本当に音楽がやりたいのか?」の自問自答をしておいてください。
本記事では深くは触れませんが、ここがしっかりしてないと後々メンタル面で辛い思いをします。


【第一章:高校→進学先の選定】

早速ですが、ズバリ「専門学校(音楽系)」に行くことを強くオススメします。年数は3~4年制の所がベストです。(詳しくは書きませんが1~2年制の学校から就職するのはそこそこ難しいです)

専門学校を選ぶ理由は主に下記の通りです。(主に普通の大学との比較です)
・音楽に割ける時間が豊富(当たり前だが授業は基本音楽関連なので)
・元または現役で業界で活躍する人から情報が得られる(そういった人が教官や講師をやっている為)
・目標とする業界へのコネクションがほぼ確実にある(勿論学校により差はある)

大きくはこの3つです。

しかしながら同じ専門学校でもこの辺りは差があるので、下記の調査をご自身で行ってみてください。
・学校ホームページなどで就職実績を調べる
・在籍教官、講師などの情報を調べる(その人たちの実績等も、ネットで出なければ次へ)
・オープンキャンパス、体験入学などで雰囲気等諸々を探る(上の情報も直接聞きだす)
・授業カリキュラムやコンテストで楽曲を発表する機会がどれくらいあるか調べる(多いほど良い、理由は後述)

上記を調査した後に、色んな意味で自分に合った学校を選んでみてください(内定実績に自分が好きな会社があるとか)
ついでに、関東の学校だと就活時に色んな意味で楽です。(やはり関東に会社が多い印象があるので)

「え?何教えてるかについて調べなくていいの?」と思うかもしれませんが、そこは大丈夫かと思います。
基本どこも一緒です。ただ、楽典教えてないみたいなところは危険なのでそこだけは避けましょう。

上記を踏まえて調べても悩むのであれば僕の母校をオススメしますが、宣伝みたいになるのと身バレが怖いのでここでは書きません。
知りたい!などあれば直接DMやメールにてご連絡ください。

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【第二章:実際に入学してからやること】

まず初めに専門学校を有効活用する為に、利用価値は何かを明確化します。大きく3点です。
→利用価値
・在籍する教官や講師を通してコネクション作りができる
・実績作りができる(成功体験も得られる)
・プロ(元も含む)からアウトプットに対する評価を得られる

という3つを活かすために、下記に努めてください。
→ToDo
・授業外でとにかく曲を作る(スキルアップの為)
・先生を捕まえて曲を聴いてもらう(↑で作ったやつ、評価と改善点の把握の為)
・とにかく発表してメンタルを鍛える(先述した授業で発表する機会が多ければここはスルーで良い)
・学内のコンテストなどに積極的に挑戦し、なるべく勝ちに行く(実績作りと手応えを得る為)

「え?学校の授業に関しては?」と思うかもしれませんが、落第しない程度に単位を取れば大丈夫です。
専門学校はかなりビジネスライクで、課題設定も落第させない為に甘々になってます。(落第すると高確率で退学され、学費分の儲けが減る為)
なので有意義だと思った授業だけ真面目に受けて、それ以外は負担にならない程度に流しましょう。
(基礎は教えてくれますので、その辺りは抑えましょう)

逆に言えば、授業だけ受けててもほぼ就職できないと思ってもらって構いません。スキルアップの為にも授業外で曲を書き続けてください。目標は一ヶ月一曲で!


【第三章:~最終学年までに】

最終学年に突入するまでに実行して欲しいことが一つだけあります。
それは「武器曲の作成」です。
基本的には自分の個性が一番出る楽曲の事を指します。
ジャンル単位でなくて良いので「○○と言えばこういう作風!」と言える楽曲を作りましょう。
これがポートフォリオ1番の武器となります。

注意としては、オーケストラ系は避けましょう。
理由は、新卒採用時のポートフォリオで一番多いジャンルだからです。
毎年大量に来るので聞き分けができず目立ちにくいので、「武器曲がオケ」はよっぽど自信が無い限りやめましょう。
また「ゲーム業界=オケ」というのもオールドタイプな固定概念なので、作れないとダメ!というものでもありません。

実際僕は就活時(5年前くらい)にオケ曲をポートフォリオに入れませんでしたが内定率はかなり高かったので関係ないと感じていますし、
先述の通り採用時(~2019年)にオケがあるから良いね!みたいな判断はしたことがありません。

まああまり難しく考えないで好きな物を作るのが良いかと思います!


【第四章:就職活動スタート~内定まで】

最初に目標を掲げた通り「ゲーム会社のコンポーザー」を目指して就職活動をします。
大体10月くらいには作曲系の募集が無くなりますのでそこまでに内定を取りにいきましょう。

で、大体どこの会社も課題曲の作成を求められるので適度なレベル感で処理しつつポートフォリオの武器曲を活用してアピールしていきましょう。
(ポートフォリオの作り方の詳細は本記事は書きませんが、希望があれば後程書きたいと思います)

面接に関しては
・基本自分の考えがハッキリ話せる
・面接官の質問の意図が理解でき、考えて回答ができる(正解でなくてよい)

がクリア出来ていれば、扉のノックの回数だとか一人称が私~とかそんなマナーレベルの内容は問題になりません。

不安な人は学校の先生などに模擬的に面接をしてもらったり、試しにどっかの企業を受けたりして場数を積みましょう。
また、この記事でない面接に関する記事や動画などを参考にしてみてください。

あっさり作品が通る前提で書きましたが、正直三章までの事をキッチリ出来ていれば作品では落ちないと思っています。
それは「新卒切符」があるからです。成長性が見込めるレベルの作品で仕上げられていれば面接までは必ずいけます。
面接まで行けば内定を取れる可能性はかなり高いのでこっちの物です。

それでも作品が通らないという方は
・業界or会社と、本人の音楽の作品性や書類から分かる人間性が合わない
・作品自体のレベルが著しく低い

可能性があります。前者は応募する業界を変えるか、できればポートフォリオを見直しましょう。
後者は残念ながらこのタイミングでの対策はほぼ不可能なので、そうならない為にも第三章までを徹底しましょう。



【第五章:内定が決まったら】

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おめでとうございます!
内定が決まったあとは…正直やらないといけない事はないと思います。
僕の場合は学生時と違うDAWを指定されていましたが特に勉強したりもしませんでしたし、入ってみれば何とかなりました。(余談ですが社内一操作が早い自信があります)

なのでとにかく学生のうちにしかできない遊びなどをするといいと思います。バイトとかしてお金貯めておくと良いかもしれません。


【終章:最後に】

何でフリーランスルートではなくこちらをオススメしたのか…
そもそも僕は「生涯会社員クリエイターコース」を指して書いたわけではなく、目標としたい(して欲しい)のは
「会社員クリエイターとして基礎を学び、頃合いを見て好きな形態で仕事をするクリエイターになる」事なのです。

それに対してゲーム会社は
・クライアント⇔クリエイターの関係性
・適度な競争性(仕事の取り合いが多少ある、時には社内営業も必要)
・収入の安定性

を持っており、言ってしまえばイージー版フリーランスルートなのです。
なのでこの業界で上手く渡り歩き実績経験を積めば、音楽を武器にし自由に仕事をできる作曲家になれると思っています。(実際にそういう方々をたくさん見てきました)

つまり先述した「フリーランスコース」も、会社を通していないだけで本質は同じです。
それをいきなり独学で飛び込むのではなくしっかり準備をして、長く勝ち続けられる作曲家を目指す!という意味を込めて今回のルートをオススメしました。


最後に意識して欲しいことは「バズるな!」という事です。
最近は「インディで配信した曲がバズる→プロデビュー」という流れをよく見ます。
これ自体は悪くありませんし、魅力的なルートだという事も分かります。
しかし「バズった理由」を分析できないとかなり苦しい戦いになります。

例えば「PVが良かった」という理由で自分の楽曲がバズるとしましょう。
それで大金を得た事をきっかけに後先考えずフリーランスorアーティストになれば…
ってもう細かく書かなくてもどうなるか分かりますよね?

文章にしてしまえば分析は簡単ですが、実際に売れた理由の細かな分析は難しいですし、最近はこういう事が良く起きています。


どうせ音楽でご飯を食べるなら、食べ続けたいですよね?という事で
しっかりじっくり基礎から学んで、長く食べ続けられるルートをオススメしたいという気持ちからこういう趣旨の記事になりました。


【〆】

いかがだったでしょうか。あくまで僕の人生経験を元に書いているオススメなので、もっと自分にあった仕事の掴み方が沢山あると思います。そういった情報が沢山あつまれば、今後若い人達が音楽を仕事にする事を目指す際のヒントになると思っています。

僕の記事もそういったヒントの一つになればと思い書かせて頂きました。

長文になりましたが、読んでいただきありがとうございました。




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