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行政手続などのデジタル化促進を目指し、高齢者のみなさまにスマホをもっと身近に感じてもらうには?

UPGRADE with TOKYO 第14回
(テーマ「高齢者にとってスマホが便利で身近なものに」)を開催しました!

東京都が抱える様々な都政課題を解決するために、民間から生まれた画期的な製品・サービスを活用し、官民一体の事業の実現を目指したピッチイベントUPGRADE with TOKYO。第14回を迎えた今回は「高齢者にとってスマホが便利で身近なものに」をテーマに、事前審査を通過した5社とオンラインをつなぎ、課題解決に向けたご提案をいただきました。
行政手続をはじめ、行政サービスのデジタル化を加速させていく中で、デジタルデバイドの問題をどう是正するのか。特にスマホの保有率の低い65歳以上の高齢者に対し、スマホやインターネットを身近に感じてもらい、日常のツールとして使い慣れていただくためのアイデアとは?ピッチでのご提案はもちろん、質疑応答を通して、有意義な回となりました。

東京都の課題を解決するべく、
最終選考に駒を進めたのは5つの個性豊かなコンテンツ

事前審査を通過したのは、ソーシャルメディアやライフツールアプリ、また健康を切り口としたアプリなど、高齢者のデジタルデバイドの是正を念頭においた、個性豊かな5つのスタートアップ企業でした。

■エントリーNo.1 株式会社オースタンス
オンラインで、趣味と繋がりを創り、高齢者がスマホを使う日常へ
自社が展開する、月間3,000万PVを超える中高年・シニア向けコミュニティサービス「趣味人倶楽部」。すでに多くのシニアが参加し、約4.5万の趣味のコミュニティがあり、そのコミュニティへの参加率は8割以上を誇るコンテンツです。またコロナ禍において1万人以上のシニア会員がオンラインイベントを利用するなど交流も盛ん。実績あるこのサービスを、東京都の高齢者のスマホ利用促進の普及啓発やスマホ体験会等に活用することで、スマホをより身近に感じてもらうことを目指します。

■エントリーNo.2 CiPPo株式会社
高齢者とその家族目線で、日常使いできる生活圏内のアプリ
現在、全国45地域での運用が決定しているスマホアプリ「Cippo」は、都内を市、区、駅ごとに分けて活用することで、その地域の災害情報や防犯通知などがプッシュ通知で届き、ITのスキルがなくても安心安全を得ることができるサービスです。他にもお店や病院、地域ニュース、チラシ、行政情報などがスマホに届く他、高齢者のサークルやイベントなどが網羅されています。また、高齢者でも簡単に検索できる、AIを活用した検索エンジンを搭載しています。住む地域や現在いる地域の必要な情報、命に関わる速報など、高齢者が「自分に必要」と感じる情報が得られ、自分ゴト化ができるアプリを作ることで、能動的なスマホの活用を狙います。

■エントリーNo.3 株式会社 FiNC Technologies
自治体シニア層に向けた健康増進アプリのご提案
ヘルスケアに特化したプラットフォームアプリ「FiNC」を運営しており、B to Cアプリでは1,000万DL、B toBアプリでは320社の導入を実現しています。簡単に取り組めて、さらに継続できることを目指して、興味を喚起しやすい様々な「健康チャレンジプログラム」を提供。ユーザー継続率を見ると、10〜40代と比較して50代以上が平均で1.2倍以上となっていることから、東京都との協働により、健康診断結果との連携、「FiNC」での健康チャレンジプログラムの提供、医療や福祉との連携を目指すことで、高齢者のスマホ普及や利用継続に貢献できると考えています。

■エントリーNo.4 株式会社ベスプラ
脳と体の健康維持アプリによる地域活性エコシステム
「認知症の増加」を解決したいという思いを課題に掲げ、認知症の予防が期待できる「脳にいいアプリ」を中心とした、世界初の認知症予防総合サービスを目指しています。
「脳にいいアプリ」は、バーチャルに散歩を楽しめる歩数管理やユーザー同士で対戦できる脳トレなど、楽しみながら継続につながる設計となっています。すでに八王子市や渋谷区などに導入が開始され、現在、15万人以上の高齢者が利用。家族をはじめ、近所の友人、自治体とのコミュニケーションコンテンツも搭載された「脳にいいアプリ」を活用することで、地域活性エコシステム作りに貢献します。

■エントリーNo.5 ライフログテクノロジー株式会社
地域の健康寿命を太く長くする栄養管理DXツール「カロミルアドバイス」
スマホ搭載カメラで食事や体重計、血圧計を写真に収めるだけで、アプリ起動時にAIが画像を自動で解析し、簡単に記録ができる健康管理アプリ「カロミル」。そして、そのカロミルユーザーに対して保健士、栄養士、パーソナルトレーナーによる指導を受けられる「カロミルアドバイス」。東京都との協働により、この二つのサービスを都が保有する公共施設において活用することで、計測や指導を目的とした来館者を増やし、健康拠点として活性化を図ります。この栄養指導を通じて病気の予防を目指すとともに高齢者とのコミュニケーションを促進することで、スマホアプリの有用性を広く理解してもらい、デジタルデバイドの課題解決を目指します。

審査の結果、優勝に選ばれたのは、
株式会社ベスプラ『脳と体の健康維持アプリによる地域活性エコシステム』

甲乙つけがたく白熱した審査の中、優勝社に選ばれたのはエントリーNo.4 株式会社ベスプラの『脳と体の健康維持アプリによる地域活性エコシステム』でした。
審査の第一のポイントは「スマホを使ったことがない高齢者が使いやすい」という点。株式会社ベスプラが地域活性エコシステムの中心と考える「脳にいいアプリ」は高齢者に特化した設計ということが高く評価されました。東海道五十三次などコースを選べるウォーキングチャレンジやユーザー対戦型の脳トレなど、楽しんで続けられるコンテンツが充実。また家族からの見守り機能や近所の人とのチーム機能、自治体と連携することでお知らせなどの情報発信や個別ケアを受けられ、アプリを通して高齢者がいろいろな人とつながることができます。さらにポイントの配布・使用の仕組みを活用することで、地域活性エコシステムにも発展するという点において、今後の可能性にも期待できる提案となっていました。

デジタルデバイドの課題を解決するために、官民一体の事業への発展を目指して

今回参加していただいた5社の提案は、どれも使ってみたくなるような魅力的なものばかり。それぞれの提案には審査員からの質疑も多く、興味の高さが伺えました。優勝社以外のスタートアップ企業に対しても「機会があればぜひ連携して行きたい」との言葉があり、今後の高齢者のスマホ利用促進について、官民一体となった取り組みへの期待がふくらみます。
デジタルデバイドの課題解決のその先に、高齢者がスマホをより身近に感じコミュニケーションツールとして活用することで、高齢者本人はもちろん、家族や地域のみなさんが安心安全に過ごせる社会の実現を、今後も考えていきたいと思います。

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