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新しいモビリティ・マネジメントで自動車利用抑制を促進。

UPGRADE with TOKYO 第18回
(テーマ「自動車利用の抑制」)を開催しました!

東京が抱える様々な都政課題を解決するために、民間から生まれた画期的な製品・サービスを活用し、官民一体の事業の実現を目指したピッチイベントUPGRADE with TOKYO。第18回は「自動車利用の抑制」をテーマとして開催いたしました。
大気環境の改善およびゼロエミッション東京への実現に向けて、東京都では2050年にCO2排出量ゼロを目標とし、全体のCO2排出量の2割を占める運輸部門に対し、エコドライブの推進やゼロエミッション・ビークルの普及などを働きかけています。しかし、より実効性を高めるためにはCO2排出量削減だけではなく、「自動車に依存しない社会づくり」も重要です。こうした問題意識から「自動車利用の抑制」をテーマとして設定しました。

モビリティ・マネジメントを一歩前へ。
それぞれの個性が光るプレゼンテーション。

都民や事業者の意識改革と行動変容を促し、公共交通機関の利用、徒歩や自転車の活用など、他の移動手段を選びやすくするためには?このモビリティ・マネジメントを一歩前進させるための課題に対し、事前選考で選ばれた5社より、それぞれの得意分野を生かしたサービスやアイデアのご提案をいただきました。

■エントリーNo.1株式会社ID Cruise
ユーザー分析&広告配信のご提案
自動車に依存しない意識への改革と行動変容を促進するために、より効果的な広告配信を実現するご提案をいただきました。
モビリティ・マネジメントに対し興味・関心の高いユーザー層を抽出した上で価値観やオンライン上の行動履歴を分析。その価値観や心理の共通項を見出し、それぞれにマッチした広告やコンテンツを配信することで、現状ではまだ少ないと感じられるモビリティ・マネジメントの関心層のみならず、潜在層にまで届くメッセージ発信が可能となります。今回のご提案は、ユーザー像を可視化することで、その他の各種課題にも適応できる汎用性の高いデータとなることも魅力の一つです。

■エントリーNo.2 合同会社ウサギマル
「脱クルマ」ドラマSNS配信企画
全国各地において「地域」「物産」「歴史」「PRしたいもの」など、様々なテーマに沿った映画やドラマを制作した実績から、そのノウハウ生かした「脱クルマ」をテーマとしたドラマにより、都民の自動車に対する意識改革と行動変容を促進するご提案でした。
ドラマの中で、例えばシェアサイクルや電動キックボードなど、自動車以外の移動手段を盛り込むことで、物語の中で自然と代替手段への気づきを与えることができます。配信は多くのユーザーの情報収集源となっているSNSでの展開を想定。話題となりやすいコンテンツとして発信することで、拡散性を高めることが狙いとなっています。

■エントリーNo.3 株式会社シグニティ
Webプッシュ通知で交通情報をアップグレード!

株式会社シグニティが提供するサービス「Webプッシュ通知COINs」は、専用アプリ不要でホームページからユーザーのスマートフォンやパソコンにプッシュ通知を送ることが可能なシステムです。交通情報系Webサイトは「見に行けば知りたい情報がある」ものが多いのですが、このシステムを実装することでプッシュ通知によりユーザーの端末に情報発信が可能になります。「交通渋滞」の通知や「お得な1daypass」の情報などをプッシュ通知でユーザーの手元に届けることで、自動車以外の選択肢に気づいてもらい、行動変容につなげるというアイデアです。

■エントリーNo.4 SWAT Mobility Japan株式会社
路線バス乗車データ可視化(CO2排出量可視化)及びダイヤ最適化サービス

SWAT Mobility Japan株式会社は現在、世界7カ国でオンデマンドバス運行サービスを提供しているスタートアップ。今回はそのテクノロジーをもって地域の足を守り、自家用車から公共交通の利用を促進するご提案をいただきました。
現状課題を抱えている路線バスに対し、乗降データの可視化や運行改善を行うことで、利用者にとってより利便性の高い移動の提供を実現。同時に自動車利用時と路線バス利用時のCO2排出量を可視化した上で比較。利便性と環境性の両面から路線バスの利用促進を訴求するアイデアです。

■エントリーNo.5 チョークデジタル株式会社
自動車利用の抑制につながる「地球とひとに優しい広告配信サービス」

チョークデジタル株式会社が提供する位置情報を活用した広告配信プラットフォームは、「配信」「レポーティング」「データ解析と活用」を行うことで、よりターゲティング精度を高めていくサービスです。今回はこちらのサービスを活用するアイデアをいただきました。
運用例として、フードデリバリーやネットスーパーのアプリからの広告、公共交通機関の情報などをバナー広告としてユーザーの端末に配信。自宅にいながら注文や買い物をする、移動の際には公共交通機関を使うといったきっかけを作り、結果として自動車利用の抑制へとつなげていきます。

あらゆる交通データを活用した自動車利用の抑制を目指して。
優勝に選ばれたのはSWAT Mobility Japan株式会社

今回のテーマ「自動車利用の抑制」を実現するにあたり、SWAT Mobility Japan株式会社は路線バスに関するデータをより分かりやすく可視化し、さらに運行改善を行っていくというアイデアで、とても分かりやすいプレゼンテーションでした。大気環境の改善およびゼロエミッション東京を実現する上で、重要なテーマとなる公共交通利用に焦点を当てたことが高く評価されました。
ピッチの中では都心部よりも自動車の利用が多いのではないかという仮説のもと、多摩地区での路線バスの利用促進が一例として挙げられましたが、SWAT Mobility Japan株式会社の目標として、やがては部分最適化ではなく、路線バスはもちろん、コミュニティバス、タクシー、鉄道などあらゆる交通のデータを可視化し、東京都全体の最適化を視野に置き、CO2の大幅削減に貢献したいという点においても、東京都との協働に大きな期待が持たれた理由となりました。

長期間に渡り取り組む世界的な課題。
様々な企業や人材との協働に期待。

CO2削減は世界的な課題であり、東京都はもちろん日本にとっても大きく意義のあるテーマです。それだけに長期間に渡り、様々な企業や人材、様々な視点から協働すべき課題であることを再認識したピッチイベントとなりました。
今回、優勝社はSWAT Mobility Japan株式会社となりましたが、その他の4社もそれぞれの強みを生かし、分析、情報提供、啓蒙活動に長けたアイデアをいただきました。長期間に渡る取り組みだからこそ、今後とも様々な視点でのご提案をいただきたく思います。


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