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中小企業の景況調査に新たな価値を。 経営戦略の判断材料として、 事業者の積極的な活用を促進するためには?

UPGRADE with TOKYO 第15回
(テーマ「東京都中小企業の景況調査にかかるオープンデータの活用について」)を開催しました!

東京が抱える様々な都政課題を解決するために、民間から生まれた画期的な製品・サービスを活用し、官民一体の事業の実現を目指したピッチイベントUPGRADE with TOKYO。第15回は「東京都中小企業の景況調査にかかるオープンデータの活用について」をテーマとして開催いたしました。
東京都が行う都内中小企業の業況や売上高などの景況調査のデータ。経営戦略を決定する際に活用できるこのデータを、より多くの事業者に使っていただくためには、どのような改善策が必要なのか、事前審査を通過した5社よりご提案をいただきました。認知度向上をはじめ、データビジュアライゼーションの視点からのアイデア、また他機関の統計データとの組み合わせなど、個性豊かなプレゼンテーションが繰り広げられました。

それぞれの得意分野を生かした、
チャレンジスピリットにあふれる5つの提案

今回のスタートアップ企業によるピッチは、すでに運用・運営の実績に富んでいることが印象的でした。その中で東京都が行う景況調査のデータとどう向き合うか、意欲的なアプローチが光るピッチイベントとなりました。

■エントリーNo.1 株式会社ナウキャスト
ナウキャストによる中小企業の経営戦略/生産活動分析/観光分析ツール
全く新しい分析プラットフォームサービスのご提案

官公庁や金融機関出身のメンバーが主体となり多数の協働案件を実現。その実績あるノウハウを生かし、オルタナティブデータを活用した新しい中小企業の景況分析プラットフォームのご提案をいただきました。POSデータやクレジットカードデータ、人流データなどを有し、それらと景況調査のデータを組み合わせ、高い技術力で多角的に分析することで、よりリアルに中小企業の景況感を捉えることが可能。さらにデータビジュアライゼーションのツールと組み合わせることで、新しい中小企業景況分析プラットフォームの提供を叶えます。

■エントリーNo.2 Nishika株式会社
東京都中小企業の景況調査データを用いたデータ分析コンテストの開催
AI人材(データサイエンティスト)とAI人材やソリューションを求めるユーザーをマッチングするプラットフォーム「Nishika」を開発・運営。現在、コンペティションで腕を競うトップクラスのデータサイエンティストが約5,000名登録されています。今回は、このプラットフォームを活用して、提供されるデータの解析から導き出された示唆の有用性を競うデータ分析コンテストをご提案いただきました。このコンテスト開催を通じて東京都の景況調査の認知度向上や有用性をデータドリブンで示すことで利用促進を狙います。

■エントリーNo.3 株式会社 Hogetic Lab
オープンデータをより身近なものにするCollectroによる中小企業の経営改革

オープンデータ収集に特化したサービス「Collectro」を活用し、保有するリソース、ソーシャルデータ、東京都の景況調査データを掛け合わせた統合データベースの提供をご提案いただきました。さらに東京都として中小企業に提供したい情報の整理から携わることで、アナリストがダッシュボードのテンプレートを開発。景況調査データのAPI化が可能であれば、その他のデータと関連したダッシュボードの配布も可能となり、中小企業のデータ経営を最短経路でより価値のあるものへと高められると考えます。

■エントリーNo.4 レイ・フロンティア株式会社
人間の無意識を行動データで「見える化」する

移動データを収集する「SilentLog Big Data」と移動データを分析する「SilentLog Analytics」。この2つのサービスを活用し、東京都の景況調査データと組み合わせることで課題解決につなげるご提案をいただきました。収集した膨大な人流データと景況情報を組み合わせて分析することで、人の動きと経済の動きの相関関係を見出せるのではないかという考えのもと、今後、より求められるリアルタイム性を追求した景況分析の実現へのチャレンジを目指します。

■エントリーNo.5 株式会社レトリバ
『東京都中小企業の景況調査×YOSHINAリサーチ』
東京を元気に!コロナ不況脱却へ!ポジティブ動向発掘プロジェクト!

コールセンターなどに寄せられるお客様の声を文字変換し、テキスト分析が可能なAIツール「YOSHINA」。1万人規模のアンケートも実施でき、収集・分析、そしてレポートの提供までを3週間ほどで行えることが強みとなっています。コロナ不況の中、「東京都をもっと盛り上げたい!」という考えのもと、「YOSHINA」を活用したリサーチで中小企業の工夫点や打開策、成功例などを抽出。東京都の景況調査と絡めて可視化することで、ポジティブな情報を発信していくというご提案でした。

審査が難航する中、優勝に選ばれたのは、
『ナウキャストによる中小企業の経営戦略/生産活動分析/観光分析ツール 全く新しい分析プラットフォームサービスのご提案』

いずれ劣らぬ魅力的な提案で審査が難航する中、今回のピッチイベントの目的に立ち返った視点から、エントリーNo.1 株式会社ナウキャストの『ナウキャストによる中小企業の経営戦略/生産活動分析/観光分析ツール 全く新しい分析プラットフォームサービスのご提案』が優勝に選ばれました。
多くの事業者に有用性を感じていただける情報提供を目指して、現在行なっている東京都の景況調査のクオリティーアップを模索する中で、他のデータを組み合わせることで経営戦略の方向性をより明確に示唆できるという点において、株式会社ナウキャストのご提案は最もテーマに合致していました。
質疑応答の中でお答えいただいた、データビジュアライゼーションの視点で使いやすいツールの提供はもちろん、そのデータの分析から何が分かるのか、中小企業にとって必要な情報とは何かを突き詰めて、中小企業がほしい情報に対する示唆を与えられるデータアナリストによるサポートが可能なことも大きな魅力と感じました。

中小企業の景況調査に限らず
行政の様々な場面で生きる5つの提案

優勝社に選出された株式会社ナウキャスト以外の提案も、中小企業の景況調査に限らず、例えば観光や行政窓口などにおいても親和性の高いアイデアとなっていました。目的によってそれぞれが活きる提案がそろったことが、今回の審査を難しくした要因と言えます。
今後、行政にとって、データ活用はますます必要不可欠になります。今回参加いただいたスタートアップ企業の皆様への期待、役割もますます大きなものになっていくと思いますので、様々な分野において協働が実現し、行政のブラッシュアップに繋がることを期待しています。

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