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第36回「建築物の安全性を確保する審査業務の効率化・省力化」

UPGRADE with TOKYO 第36回(テーマ「建築物の安全性を確保する審査業務の効率化・省力化」)を開催しました

東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が2月2日(金)に開催されました。
第36回目となる今回のテーマは「建築物の安全性を確保する審査業務の効率化・省力化」。消防・防災や建築・設計分野における専門知識、OCRやAI、RPA等の業務効率化ソリューション等を有した企業4社がピッチに臨み、法適合判定プログラム、法令検索サービスの構築等、類似システム開発のノウハウを有する各社による開発体制を構築し、対象業務の効率化を提案したSUDARE TECHNOLOGIES株式会社が優勝しました。

消防同意事務デジタル化―防火に関する各種法令審査をいかに効率化するか

東京消防庁では、建築物の安全性確保を目的として行われる建築確認手続きの中で、建築物の構造、防火区画、内装、消防用設備等に関する法令に適合しているか審査する消防同意事務を行っています。
現業務では法令への適合を職員が一つ一つ手作業で確認していますが、大規模建築物や複雑な構造の建築物の増加、審査に関係する法令の複雑化により、消防同意事務に要する時間や業務量が増大しています。
そこで、最新のIT技術等を活用し消防同意事務の一部を効率化・省力化できる製品・サービスを募集しました。

■優勝社:エントリーNo.2 SUDARE TECHNOLOGIES株式会社
『消防同意審査の効率化から始める消防DX』

優勝したSUDARE TECHNOLOGIES株式会社が提案したのは、申請書内における法適合判定に必要な用途・面積等の情報をインプットとし、「必要消防設備自動判定」「建築基準法の審査事項チェックリスト作成」「法令データベース」を備えたシステムにて審査業務を効率化・省力化する取り組みです。
 
開発予定のシステムは、Excel等で提出された申請書データをインプットとし、施設の用途・階数・床面積等の条件をもとに必要な消防用設備が備わっているか自動で判定する機能と、その他審査が必要な関係法令をチェックリスト形式で出力する機能にて、消防同意事務の負荷を軽減します。
従来、審査のために確認すべき法令を選びだす作業にも時間がかかっていましたが、今後は確認すべき法令を本システムが自動で判断してくれるため、職員は法令への適合判断に注力できるようになります。
 
本ピッチにおいては、提案されるシステムの要件として、「建築物等に設置が義務付けられる消防用設備等の自動判定機能」「防火に関する規定の審査項目のチェックリスト作成機能」「関係法令の改正への迅速な対応が可能となる機能」を備えていることが求められました。

その中でも、建築法規データベースを活用した法適合判定プログラムを作成した実績があり、法令改正に対する対応もシステム面で対応できる提案がなされていたことが評価され、SUDARE TECHNOLOGIES株式会社が優勝しました。

■エントリーNo.1 株式会社ほむすび
『消防同意のための判定ソフト カイト』
株式会社ほむすびは、消防法・建築基準法に基づいた建物設備に関する豊富な知見・実務経験を活かし、消防同意事務のための判定ソフト「カイト」の開発を提案しました。

■エントリーNo.3  株式会社Things
『OCR×生成AI活用による消防同意事務の自動化』
株式会社Thingsは、生成AIによって消防同意事務における申請書類を読み取り、消防設備や関連法案の自動判定を行うソリューションを提案しました。

■エントリーNo.4 BizteX株式会社
『RPAでチェックリストの作成時間とミスをゼロに!』
BizteX株式会社は、入力された建物情報・消防情報に対して、床面積等の閾値を元にRPAで判定、システム入力まで自動化するソリューションを提案しました。

今回のピッチイベントは、新たに設計・計画された建築物における消防上の安全性を確認するための審査業務において、職員の方々が法令との適合を審査する際の前捌きを行う新たなシステムを募集するものでした。

優勝したSUDARE TECHNOLOGIES株式会社との協働プロジェクトをはじめ、建築確認手続きをはじめとする様々な業務の効率化が進み、その上で都民の生活がより良いものとなることを願っています。

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