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第37回「誰もが利用しやすく、楽しめる公園の実現~2025年デフリンピック大会を契機に~」

UPGRADE with TOKYO 第37回(テーマ「誰もが利用しやすく、楽しめる公園の実現~2025年デフリンピック大会を契機に~」)を開催しました

東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が3月1日(金)に開催されました。
第37回目となる今回のテーマは「誰もが利用しやすく、楽しめる公園の実現~2025年デフリンピック大会を契機に~」。
AI音声認識やAIチャットボット、現代アート等のソリューションを有した企業5社がピッチに臨み、音環境分析技術を活用した窓口会話のリアルタイムテキスト化と、スポットごとの賑わい見える化ソリューションを提案したハイラブル株式会社が優勝しました。

日比谷公園におけるユニバーサルコミュニケーション実現に向けた取組み
 
都では「バリアフリー日比谷公園プロジェクト」として、日比谷公園を誰もが利用しやすく、楽しめる公園とするための整備を段階的に進めています。
2025年のデフリンピック東京大会にて、日比谷公園がオリエンテーリングの競技会場となることを受け、聴覚障害者や耳の聞こえにくい方も含め、公園を訪れるあらゆる人の間でのコミュニケーションを支援し、活発化するアイデアを募集しました。

■優勝社:エントリーNo.5 ハイラブル株式会社
『「窓口会話支援」と「にぎわい見える化」で 日比谷公園をみんなで一緒に楽しめる Hylable for Parks のご提案』

優勝したハイラブル株式会社が提案したのは、窓口における会話のリアルタイムテキスト化・AI翻訳と、公園内におけるスポットごとの賑わいを逐次的にヒートマップ形式で可視化することで、言語・非言語両面からの情報保障を行う取り組みです。
 
公園内の窓口では、マイクから取得した音声情報から話者を識別し、リアルタイムにテキスト化を行うだけでなく、AIによって複数言語に翻訳が可能です。また、園内スポットごとの賑わいをヒートマップ化し、公園内に設置したサイネージ上に表示することで、静かに過ごしたい場合はあまり賑やかでないところ、他の人が多数集まる場で楽しみを共有したい場合は賑やかな場所に移動するなど、それぞれの気分に合わせて過ごす場所を選択することができます。

本ピッチにおいては、公園を訪れた人たちのコミュニケーションを円滑化する仕組みが盛り込まれているかなど、提案の製品やサービスが応募テーマに合致しているかという点が重視されました。

その中でも、音声認識技術によって窓口対応の円滑化を図れることに加え、公園内の賑わいを可視化する取り組みから発展して、将来的には様々な生き物の声を識別してその声の主がどういった鳥や虫、動物なのか特定し、詳しい情報を表示するようなサービスへの展開なども期待できることが評価され、ハイラブル株式会社が優勝しました。

■エントリーNo.1 株式会社ObotAI
『AI手話認識技術、 次世代の多言語AIソリューション』
株式会社ObotAIは、自社が提供する多言語AIチャットボット「ObotAI」を基盤として、新たにAI手話認識機能を開発し、AI手話認識・音声認識によるコミュニケーション円滑化施策を提案しました。

■エントリーNo.2  株式会社デジタルアテンダント
『手話認識AIによるスマートパーク構築』
株式会社デジタルアテンダントは、自社が提供するAI接客システム「ダイナパートナー」を基盤として、新たにAI手話認識機能を開発し、AI手話認識・音声認識による窓口業務円滑化施策を提案しました。

■エントリーNo.3 株式会社Spacial
『音の見える公園』
株式会社Spacialは、会話をリアルタイムで目の前に字幕化するARグラス「見える補聴器」と園内に設置したNFCタグを用いて、園内情報の提供と、園内でのオリエンテーリング等のイベント施策を提案しました。

■エントリーNo.4 一般社団法人障がい者自立推進機構
『公園鑑賞 ~日比谷公園の多様な美しさを発見しよう~』
一般社団法人障がい者自立推進機構は、「世界は美しいを鑑賞する。」をテーマに、現代アートの手法を用いて、誰もが公園を多層的に楽しむための公園鑑賞ツアー・デジタルアーカイブ製作を提案しました。

今回のピッチイベントは、今後多くの人々が訪れることが予想される日比谷公園において、特に聴覚障害者を念頭に置いて、誰もが安心して園内案内や窓口対応等を利用でき、公園内でのユニバーサルコミュニケーションの実現に資する提案を募集するものでした。

優勝したハイラブル株式会社との協働プロジェクトをはじめ、日比谷公園をはじめとする都内の公園におけるバリアフリー化が進み、都民の生活がより良いものとなることを願っています。

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