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【xR UX/UIレビュー】ハンドトラッキング体験アプリ「Hand Physics Lab」を遊んでみた

Holonautic 社よりリリースされた「Hand Physics Lab」を体験してみました!

アプリの内容は「Hand Physics Lab」という名前の通り、ハンドトラッキングで物理実験をするようなアプリケーションになっています。「VR空間での手の認識」をよりナチュラルに意識できるものになっています。イメージとしてはMicrosoft 社の MRTK(Mixed Reality Toolkit)のデモ体験に近いかもしれません👀

UX向上に寄与する工夫がもりだくさんでしたので、ご紹介していこうと思います。(今回も作品自体のレビューではないのであしからず…。)

ポイント1:インクに指をつけてお絵描き

手元にあるインクに指先を浸して、選んだインクの色に応じてお絵描きができます。

体験・工夫として素晴らしいと感じたところは2点あります。

① 指とインクの接触した範囲に色が反映されている
現実の物理挙動との差異を感じることはがほとんどなく、本当に指で塗っているような直感的な操作になっています。

② 指で平面に触れた際の関節の反り返しがある
反り返しの表現があることによって、現実空間にフィードバックが一切ない状態でも反力を感じることができます。(神は細部に宿る、ですね😶)

ポイント2:VR空間でのタイピング

VR空間内でのタイピングは初めての経験でした👀
指でさわったという感覚が無いので、ややタイプミスは多かったのですが、現実のキーボードと位置合わせをして使用するなどの工夫をすれば実用もできそうだと感じました。

ポイント3:重いものを持つ

動画で鉄アレイを持っている時は現実の手の動きよりVR空間内の手の動きの方が若干遅くなっています。
このフィードバックの時間差によって、VR空間内で疑似的に鉄アレイに対して重さを感じることができます。
あまりにもフィードバックの時間に差があると違和感につながってしまうので、Hand Physics Lab では絶妙な調整がなされているように感じます👀

ポイント4:ナイフを刺し込む

ナイフを人形に刺し込む時に、よく見ると差し込んだ時点の角度で固定されるような作りになっています。

この角度の固定によって、特に説明がなくとも「ナイフが人形に刺さっている動き」として理解することができました。
この動きはいろいろな刺し込む挙動に応用できそうです。

ポイント5:モノを掴む

球状の物体や複雑な形の物体、棒状の物体等、物体の形状に関係なく掴むことができています。

遊んでいる中で失敗してしまった例としては、たまごを掴む時にぎゅっとこぶしを握り締めてしまいうまく掴めないというところでした。当然ながら、現実の手に対してフィードバックはないので力加減が必要です。。ぎゅっと握りしめることによって、VR空間内の手と現実空間の手の動きに乖離が生じて、たまごが零れ落ちてしまいました。

下記動画のように手の大きさを変える機能を使ってみると「VR空間内の手と現実空間の手の動きの乖離」をよりわかりやすく体験できます。

現実とVR空間で自分の体の一部の挙動が異なるというのは、なんとも形容しがたい違和感を生んでしまうので、開発の際には気を付けたいところです🙄

おわりに

Hand Physics Lab のモノを掴む挙動は、体験者の習熟度によって結果が変わっていきそうです。色々な人の体験データを元に利用ケースを深堀りしていければ、よりUX研究として実になるかもしれませんがそれはまた別の機会に…!

紹介させてもらった「Hand Physics Lab」のストアページはこちら↓


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