【メディア】脅かされる信教の自由―安倍元首相暗殺2年の日本―(2)
自由侵害する「関係断絶」
2022年8月31日、新型コロナ感染から公務復帰した岸田文雄首相は、官邸で記者会見し、自民党総裁として家庭連合との関係断絶を宣言した。首相は茂木敏充幹事長に、「所属国会議員は、過去を真摯(しんし)に反省し、当該団体との関係を絶つ、これを党の基本方針として、徹底する」よう指示したことを表明した。
この時、岸田首相は、自由と民主主義を標榜(ひょうぼう)する公党が、特定の宗教団体との関係を断絶すると宣言することの深刻な意味を理解していたのだろうか。民主主義の日本では政治家が宗教団体と関係を持つことは自由である。相手が反社会的勢力である場合は例外的に関係を持つこと(接触)自体が問題とされるが、家庭連合に対しては「社会的に問題が指摘される団体」という曖昧な根拠から断絶を宣言した。
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)や共産党はかねて、家庭連合は反社会的団体であり、国会議員が関係を持つことは教団に「お墨付きを与え」、「広告塔になる」ことだと主張していたが、岸田首相はそれに完全に同調したことになる。
https://www.worldtimes.co.jp/japan/20240702-182600/
(『世界日報』2024年7月2日付より)
※同紙の許可を得て転載