終わりそうで終わらない少し終わり始めた夏
夏が終わる。
私の夏休みが終わり、夏の甲子園が終わり。
道を歩けば力尽きた蝉たちがそこかしこに転がり、テレビからは新学期の開始を告げるニュースが流れる。
今年の夏も暑かった。
あまりに暑すぎて、夏の間にもう一つ「人間ぶっ殺しシーズン」という季節を設定したいくらいであった。
春夏秋冬ではなく春夏殺夏秋冬。いやマジで体感ではそれくらい暑かった。
何なら今も暑い。気温だけ見れば30℃オーバーもまだまだザラである。
仕事の都合で5年ほど本州の北の端に住んでいた時にはこのあたりでいう夏の暑さが1週間ほどしか無かったり、桜の咲く時期が半月以上ズレていたりで季節感を見失ったものだが、まさかこちらに戻ってきてもそうなるとは思わなかった。
とはいえ、最近は車を運転していると虚弱なスポットクーラーと化していたカーエアコンの効きが多少良くなった気はする。
今日は連なって飛ぶ赤トンボも見かけた。
少しずつ、少しずつ。
オレンジから黒に変わっていく夕方の空のように。
季節はいつも、振り返るとグラデーションで移ろってゆく。
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