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Pantone Metallic Color Regular

今回は上の画像のカラーフォントを作りますが、まぁその前にいつものやつです。


ビジネス的な文脈のなかで、メタルカラーという単語が出てくるとおじさん世代は、頭の中のカラオケマシンが「地上の星」を掛け出してしまうらしいのだけれど? え? ナンだったそのまま歌い出すまである? いやコレは失礼。

この怪しげな和製英語は昭和の時代に山根一眞によって、なんかプロジェクトX的なスゴい工業技術者の総称として造語されたもの……という認識だったんだけど、現代ではブルーカラーの労働を代替できるAIを搭載したロボットのこと……まぁ平たくいえば働くロボットを総称してこう呼ぶらしい。

20世紀の働くおじさんは21世紀には働くロボットになってしまいました……ということらしい。しかし、働くってナンだろうね? ロボットが給料もらって自分で電気代やメンテナンス費用を負担したり、工業用オイル一杯で上司の愚痴をいったりする等ということは想像もつかないので、ロボットの所有者が収入を得るんだろうけど。そのときの労働倫理ってのはどういう風に理解すればいいのかってのは……なんだかモヤモヤします。

どんな簡単な労働にだって全くモノを考えなくて良いかというと、どんなに簡単な作業でも定形化、固定化してしまえばそれ以上のことは不可能になるので、やはり真面目にやろうと思ったら考える作業は必要だ。トヨタ式ってやつですわ。で、その都度その都度でカイゼンなりなんなりとなんか正しい意味での裁量ってのが入っていくことになるのだけれど、これが過剰になっていくところが日本式の厄介なところだ。丁寧、親切、信頼の日本製品っていう評価になっていくんだろうけど、ロボにそこが可能になるかというと……もう何段階かのブレイクスルーは必要だろうと悲観している。まぁ逆に、みんなが労働に対してもう少し寛容になって、そこそこの労働で諦めてくれるようになるほうが早い……かもしれない。良くも悪くも日本式ってほんと厄介だから。


最近ロボばっかに働かせるからホント、サービス低下したんじゃないの……いやいや、今どきの労働者の方がよっぽど使えませんよ、そこそこでしか働かない、辛抱足らなくてすぐ来なくなる、怒ると膨れる、褒めてもやる気が出るワケじゃないし、あきまへんわ……なんてね。


たしかにロボなら、人間と違って手抜き工事や責任放棄で逃亡などということとは無縁のような気はするけど、予め事故を予測可能なAIなんていうの発想の段から無理筋の気がするんだよね。
どうしてそう思ったのかっていうのはここを説明すると長くなるので、また別の機会に譲るけど、日本人からしたらどんなにちゃんと仕事をしててもロボの仕事は一生懸命やってるように見えないって感じかも。解りにくい? うん、ほんと面倒くさいかも……え、どっちがって?

こういうのもね、まぁ、きっと慣れだよ慣れ…。


さてさて、ロボが間違ったことを延々とやり続けて、気がついたときには手の付けようのない状態で大事故が発生。巨大建造物が一挙に崩壊して死者、行方不明者多数……というどこか南のほうの国で聞いたことがあるような事態が発生!

「いやぁ、それで事故処理と補償の件なんですけど、単純に考えればロボットの所有者…になるんだろうけど……」「所有者責任っていわれてもねぇ、ロボ高いでしょ。だからさぁ、ファンドに金だしてるだけで基本的には多数のロボを大勢で所有ってコトになってんだよね、この事故を起こしたロボットだって誰の持ち物かっていえば’…」「そもそもロボットがしたことで何故こっちに責任が」「いや〜、だってロボットに責任とれないでしょう」「じゃあ、このファンドの融資先の責任っていうことで?……」「そもそも、ウチのファンドはロボの所有権は……出資者の方もそれぞれにですね…」「あぁ〜、その場合、そもそもロボはメンテナンス会社に委託管理されていまして…」「いやぁ…うちはさぁ管理って言っても基本ロボット貸し出し業務、まぁ派遣業なだけで、実際事故の時の管理は建設会社マターってことに……」「いや、そもそもロボには、こっちがちゃんと指示してるし、結果手抜き工事といわれるようなことに……で、初期のメンテナンスに問題が……」「工事内容やスキルの話はロボットにはわかるかもしれないけど、初期メンテナンスっていわれても、こっちは工事内容を把握してないワケだし……」「あぁ〜、その件ですよね、当然ロボにも守秘義務があるわけですし、ええ、現場終わる度にリセットしてますので、どんな内容の工事をしているかは……」「それだと、AIに経験が積まれなくなりますよね…」「そんな無責任なことをいう人間がロボを所有していることに問題が……」「じゃあロボに責任負わせろと?」「だったら、ロボットの製造会社に……」「いやいや、クルマが事故おこしたら製造会社の責任になる? 運転してた人でしょ? 使い方に問題があったんじゃ…」「じゃロボのAIをつくったプログラム会社の責任は……」「うちは基礎的なOSを提供しているだけで、その後の自己学習プログラムは……」

で、あっちこっちたらい回しの結果

「いや、もういっそのこと自然災害だったってことで。もう不可抗力ですから」って酷い話もあったもんです。


さて、それで我らの業界のメタルカラーといえばこれ。ということで色見本をカラーフォントにするという暴挙。この結果既存のカラーフォントの中でも1、2を争うほどの色数だけは多いという、まぁグリフ1個に対して1色づつ増えてくるワケだから文字の数だけ色数が増える。いろいろ細々したものを追加して、グリフ数が400近くあるけど、たいした事はしていないので全然楽チン。

作成方法もいたって簡単。ベースを1個作ったら、一挙に流し込んで色数分のsvgファイルを作る。

これを、Glyphsにペタペタ。出来上がり、簡単。

ちなみにこの Pantone Metallic Color Regular 上の図のようにほぼ、数字のリガチャーでOpentype featureで色番号を打ち込むだけで自動的にその色のカラーチップが表示されるようになっている。便利。

調子に乗って来たので縁なしを追加したり、プレミアムメタリックやソリッドカラーのチップも追加したり……ついでにOpentype featureを利用した、スペルを間違うとたどり着けないDICのフランスの伝統色とかってどうだろうとかって思ったんだけど……なんか、作ったのは良いけれど、たとえ無料でもおおっぴらにばらまくといろいろと問題はありそうだ。

まぁ、偉い人がOKっていってくれれば配布するのもやぶさかではないのだけれど……この程度なら自分たちで作った方が早いよね? きっと……。



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