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Glyphsで作るInscribed Old Hungarian Rovás

年末も近づくにつれて、PC関連のいろいろなものがメジャーアップデートされるというのが定番になりつつあるようで、最近ではそれを年末の季語にしても差し支え無いような気もしているのだけど、それにあわせる形でだいたいこの時機に余計な事をして仕事を滞らせるというのもまた定番になりつつあるのが始末の悪いところだ。まぁ、それで今年のMacOSはリリースから1週間後にはメインのPCでアップデートしてしまうというギャンブルに出たけれど何故か安定感が高く、俺のところではさほどトラブってはいないのが不思議なところ。これは春先に最終更新が2018以前のレガシーなアプリをしつこく整理して回ったのが案外効いていたりするのかも……まぁ、わからないけど……というところで、今年のアップデートの目玉の一つはこちら。

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フォント制作アプリのGlyphsがメジャーアップデート……まぁつまり有償のバージョンアップということなんだけど、それでIntel用とApple Silicon用の両方のコードを持つユニバーサルアプリとして生まれ変わってバージョン3になりました。Apple SiliconのMacが手元にないのでパフォーマンスがどのくらい良くなっているのかはわからないけど、大きく仕様が変わったわけではないようなので、計算能力のアップに連動してそれなりになっているんだよね? 多分。だけどインターフェイスはBig Surに寄せる感じもあってか以前よりはそれなりに小綺麗に整ってきて、この辺りは趣味の問題もあるので良し悪しは別だけど、個人的にはわりと良い感じになったように見えます。ファースト・インプレッションはこんな感じだけど、まぁこういうののテストは一旦なにかを作ってみるというのが一番手っ取り早いので、文字セットをひとつデザインしてみることにする。ので、今回は以下のようなお話。


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Rovásというのは日本語ではロヴァーシュ文字といって、今を溯ることミレニアム、約千年ほど前の中央ヨーロッパの草原の広大なプスタ、パンノニアの大平原において覇を唱えていた多民族国家、国王イシュトヴァーン治下の王国マジャル・キラーイシャーグの時代にマジャルの言葉を表記するために使われていた文字だ。ロヴァーシュ文字はイシュトヴァーンがキリスト教に帰依してしまったので支配階級ではラテン語が使われるようになり、マジャル語の文字表記もラテンアルファベット文字に取って代わられ死語というか死文字になっていくのだが、東にカルパチア山脈を望む王国の東部で、ワラキアの串刺し公、悪魔公ヴラド・ツェペシュ・ドラキュラことヴラド3世の生地として知られるトランシルヴァニア地方の一部では19世紀頃まで細々とだが使われてはいたらしい。まぁ、こういうと千年前に滅亡した王国に残された吸血鬼の召喚呪文が記された魔術的に悪魔的な呪いを封印するために綴られた古代文字の話に聞こえるかもしれないけれど、別にこれはネクロノミコンのために作られた文字というわけではない。マジャル語は当時のカルパチア盆地周辺では国際言語で、今でもハンガリーや旧ユーゴスラビアの一部と西欧東欧含めその周辺に住むマジャル人がこの言葉で普通に日常会話をしている言語だ。マジャルの別名ハンガリー、つまりハンガリー語の文字だ。

ハンガリー語は日本のWikiによると現在でも話者は1450万人ほど存在しているということだそうだが、前述の事情もあってその言語を表記する文字としては、ラテン文字が主流になっていったので、ハンガリー文字としてのロヴァーシュは徐々に廃れ、貴族のみならず庶民の間でもラテン文字が使われるようになっていったらしい。ま、そうはいっても文字がどれくらい必要とされていたのかという識字率の問題と照らし合わせて考えるとこの辺りの徐々にとかだんだんとかいう表現だけではよくわからないけど……まぁ、そういう事だそうです。しかし、ここでちょっと問題があって、ハンガリー語の表記にラテン文字を使うと母音が14個もあるだとか、日本人どころか西ヨーロッパの人間にすら区別が付かない発音があるとか、そんなことでおかしなことになるのだけど、マジャル人はそのために教会の文字に新しいグリフを追加するという不信心なことをするのを躊躇ったのでハンガリー語にはダイヤクリティカルマークだけでは対処しきれず2文字で1文字とか3文字が1文字とかというなんだか罰ゲームのような謎ルールが存在している。ハンガリー語の正書法はかなり複雑で、知人に言わせると日本語の組み版ルールのほうがまだ全然まともだそうだけど、それでも現代文では大分ましにはなってはいるらしい。オリジナルはいったいどんなことになっていたんだか……たしかに古いスペルを見ると合字がまぁ恐ろしいほどの数で……中世のグローバリズムに無理矢理対応したために不合理なことになってしまっているのの典型だろうけど、そのあたりはまぁともかく、それで、さらに時代が下るにつれ、ハンガリー語という言語それ自体もドイツ語に席巻され18世紀頃には由緒正しきハンガリー貴族ですらハンガリー語を話せないというほどのレッドデータブック入りも間近という危機に瀕していた。

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それで、ハプスブルク帝国時代のこと、二重帝国が成立する少し前のことだけど、人妻との恋愛問題を拗らせていた若きゲーテに碌でもないことを吹き込んだといわれるドイツの哲学者の人から近いうちに「ハンガリー民族もハンガリー語もこの地上から消え失せる運命だ、などというジェノサイドな失言をゆるしてしまう。この言葉で民族のレリクスたる王冠の簒奪者に抑圧されているのだと信じる人々の感情に火が付いて、ハンガリーの知識人が激烈な反応を示したため帝国がアウスグライヒする切っ掛けになってしまった……のかどうかそこのところは別として……ま、哲学者先生だけは後に前言を撤回させられる羽目にはなるのだけれど……それでも、一時は中欧の悉くを勢力範囲に収めたこともあり欧州キリスト教社会の最前線に立って東からの侵掠を何度も撃退してきた誇り高き聖イシュトヴァーンの王冠の地の末裔達とその言語がその当時評価されていた状況はというとドイツ人達からは口には出しにくいだろうけど、そんな扱いだった。で、その後も、いろいろあって二重帝国の王冠領として一応の権利を取り戻したトランスライタニアではあったのだけれど、王国が二度の大戦争で二回もドイツにベットしてしまったため、これまた、神聖ハンガリーの王冠の諸邦は、ルーマニアやらルーマニアやらルーマニア……まぁとくにルーマニアには何回も火事場泥棒をされている……と、ハンガリーからみればそう信じている人もいるということで、いやまぁ、これを始めるとあれだから、そういうこともいろいろあってルーマニアとハンガリーの仲は……まぁ、お察しください。

ともかく、そういった事情で20世紀に入ってからもハンガリーは何度も周辺諸国からカモられてしまうのだけど、結果多言語多民族国家という軛から解放されたので共産圏崩壊後の混乱も少なく比較的スムーズに市場経済に移行できたとも言われているところは何が幸いするかわからない。なにしろ外からはそれなりに安定して発展しているように見えた自主管理な西隣のユートピア多民族国家なんぞは民族間の憎悪を封じた魔術師にしてスポメニックの産みの親、共和国の調停者にして独裁者元帥の終身大統領というそういう生ける伝説の英雄をもってしても約束の国を永遠に続けることは不可能だったわけで魔法が解けた後は逆に封印したはずの呪いが一挙に噴出して血で血を洗う本当に酷いありさまに……って、まぁ、この話もいろいろと捻れ過ぎているので、あまりこの調子で語るのはアレだから、この辺りで停めるけど。

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というわけで、ロヴァーシュ文字というのは失われた古代文字です……と言いたいところなのだが、実はこの文字は二重帝国の崩壊時に復活して、マジャルの民族アイデンティティの一つとして見直しが行われ、ワルシャワ条約機構とソビエトの解体後ハンガリーが欧州社会への復帰を果たしたあたりからまた利用者が拡大し、現ハンガリー語圏では日常使用が出来そうなほどに急速に普及が進んできている……って言われているのだよ。って、本当? NHKのワールドドキュメントだったかでかなり前にも特集されていて、それから既に大分経っているからって? まぁ、そういうこともあるだろうけど……なんだか、探し方が悪かったのか捗いた場所がいけなかったのかどうかはわからないけど、ブダペストの裏通りを指紋がすり切れるほど歩き回った限りでは道路の看板どころか壁の落書きにすらそれっぽい文字ひとつ見つけられなかったのだけれど? またWikipediaに騙されたかも……まぁともかく、少なくとも電網中の誰かの脳味噌の中では一応はそういうことにはなっているらしいので、そういうことにして話を続ける。

それで、目出度く書記体系が復活しましたパチパチというわけだけれど、古代文字をそのまま現代にもってきても意味が通じないので、現代のロヴァーシュ文字は現代語に対応出来るように過去に存在したロヴァーシュ文字のよくわからない謎記号、これをcapita dictionumなどというのだけど、それなんかも含め諸々のルールを整理して正書法が定められ近代的な書記体系として生まれ変わらせる作業が行われた。こういう古代文字は呪文の取り扱いを誤って、封印したよからぬものを召喚してしまうというコズミック・ホラーな心配をする必要がないよう……って、まぁ、実はフォントで呪いとカタストロフというネタもあるんだけど、まぁ、それは別として、文字はホントに安全に使用することが出来るようにきちんと整備しておくこと非常に大事。そういう感じでロヴァーシュ文字の文字表を検索するとネット上でもかなり表記に幅が合って、字母の総数ですら42って言ってみたり45だったり、揚げ句は……まぁこれは何を数えているかの問題もあるのだろうけど、よくわかっていないので、どれが合っていてどれが間違っているとかいう話はまったくできそうもない。ともかく、そんな感じなので、実際の現物は制作途中でアイデアラフを並べ直している途上の人工言語で新言語的な雰囲気もある。

古代文字なのに新言語っていうのはなんだか矛盾するような表現だけど、これは見方をずらすと民族の危機を文字で救うという話でもあって、民族アイデンティティクライシスの緊急事態に対処するために失われた古代文字を復活させてそれにあてよう……などということをしているものだから、復活させようとしている当人達にもわかっていないことやわかりようも無いこともいっぱいあって当然いろいろとおかしな事態は発生する。同じように、いにしえの文字を復活させたハングルとかヘブライ文字でも似たような話はいろいろあって、だから別にそのことを責めるつもりは毛頭ないんだけど、文字を使うことや、文字を毀損することに政治的な意味が生まれたりすることもないとはいえないので、実を言うとブダペストの街の看板がこの手の文字で埋め尽くされていたり、その文字にペイントスプレーがかけられるような事態になってくると、それはそれでどっちも怖いんだけどね。呪物や遺物の扱いにはそれなりの注意も必要なんだけど、イスラエルや韓国の例で言えば……って、また変な方向に舵が効き始めたのでもうその話はともかく、そういった感じで、古代文字をベースに民族のための新しい文字を作ろうという話でもあるので、当然、新しい字を作ったばかりなので字形は安定していないし、虫みたいな記号をどう使うのかもはっきりいってよくわからない。それで、最近になって表記の振れをある程度抑えて規格化委員会に許されたものが固有の書記体系として認められ……え? 2015年だったのか……思っていたより本当に最近だった。まぁ、いいや、その2015年にOld Hungarianという「なんでRovásじゃ無かったの近代ハンガリー語に対応するように改造された文字の呼称が古いハンガリーで関係者は納得するの?」ということがちょっと気になる、そういう名前で呼ばれる文字コードにされてしまったものがUnicodeに対応したオフィシャルな形……ということでいいんだよね? まぁ、そういうことになって、そういうものが使えるのでインターネット上でも文字の使用は以前より容易になった。といっても、このコード化では問題があって、近代ハンガリー語と置換するためには……って、まぁ、話がどう堂々巡りだよ!

ということなので、面倒なおはなしは一旦忘れて、今回は文字がUnicodeに対応しているということもあって、お試しついでにロヴァーシュ文字フォントをメジャーアップデートしたGlyphs3で作ってしまうというお話。

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ロヴァーシュはアルファベット同様に音素文字だが、アラム文字に由来するカローシュティー文字の影響を受けたオルホン文字の系統下にあって、要は欧州よりは中央アジアとの結びつきが強い書記体系だ。なのでラテン語体系とは逆にアラビア文字やヘブライ文字同様右から左に右横書きする……のだけれど、実は左から右に綴ることも出来て、その場合はヒエログリフのようにグリフの左右を反転させた鏡文字で綴るというディスクレシアにチャレンジングなルールが存在する。このあたりも魔術文字っぽいところなのだが、書字方向の制約のゆるゆるさ加減がどのくらいまで許されるのかということはちょっと調べた感じだとよくわからなかった。それでも古い巻物の切れ端だけしかなくてもどっちから書かれたかは文字の向きだけでもヒントになるし裏表がないから石碑を拓ってくるときにも便利なので考古学研究者には都合のいい書記体系だ。そろそろ季節だけど、気負って年賀状を手彫りの版画で刷ったのはいいけれど文字が逆になっちゃって後で小っちゃく「鏡に映して見てね!」などと、あたかも最初から意図していたかのような見栄っ張りな事をして、たいして大きくもない自尊心を守る必要も……え? 話が具体的すぎて気持ちが悪い? まぁ、ともかく、そういう心配をしないですむというおっちょこちょいにも優しい書記体系でもある。こういった書字方向の緩さはVRで文字が透過的に空間に浮かんでいるのが普通になっていくと、表からも裏からも視認できるということで、使い方次第では未来的な表現方法にも親和的な言語体系にはなると思うのだけれど、この話も長くなるので、機会があればまたそのうち。

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で、この音素文字は現代のアルファベットとは違って大文字小文字が分化してはいないのだけれど、固有名詞の先頭文字を他の文字より大きく書くというルールを作っちゃったようなので、Unicode上はそれぞれに別々の符号が割り振られている。ロヴァーシュはゲルマンの古代文字とも字の形が似ているので、ハンガリアンルーンというこれまた別の呼び名もあるのだけれど、ルーン文字との直接の因果関係はないともいわれている。両方とも硬いモノに疵を付けて記録したという筆記具の問題でたまたま形態が似てしまっているだけだろうと考えられているようだ。ハンガリー語が欧州主流の印欧語族と構造が違いすぎるうえ、周辺の土地に近縁の言語を話す大集団がまったく存在しないという特殊性もあるせいなのだけれど、言語ツリーと文字ツリーはイコールにならないことのほうが多いので、このデザインかっこいい! と思ったら字が読めなくても姿、形、彩がわかればそれをパクってきて使うということは文字の世界では普通にある。フォントを作っているとこういう形と音がまったく一致しないという謎なことにはしょっちゅう出くわすのだけれど、専門家でもなんでもないので偉い先生がそういうのならまぁそういうことなんだろうと……ここのところは。まぁ、考古学者でもないし古代文字といいつつも実際のところは近代的に魔改造された創作文字をつくろうとしているようなはなしだから本当にどうでもいいんだけどね。


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ということで、さっそくGlyphsをアップデートすると、当然2で使っていたGlyphs用のplug-inなどは、またこれも再インストールしなおさないといけないのだけれど、パッケージのマネージャーが以前より賢くなっているので、モジュールの追加や削除がボタン一発になって前のときより手間がかからない。scriptのインストール、アンインストールさえ一発なので、これで、まぁとりあえずでインストールしたGitHubからのプラグインの依存関係なんかが後で全くわからなくなってしまいアンインストールするのにまたRead Meするのが面倒なので今後まったく使いもしないであろう機能がそのまま盲腸のようにMenu下にぶら下がりっぱなしになるという情けないことが発生するという事態が大いに改善されるというわけだ。え〜っと「あのスクリプトどこへダウンロードしてあったっけ?」みたいな煩わしいファイル管理とはもうさようならだ……パッケージマネージャー内では、Pythonモジュールも同様に管理できる。ついでにPythonのバージョン管理もやってもらえると……と思ったら環境設定のアドオンのところにあるのね。というわけで、自分がずぼらすぎてバージョン管理ひとつまともにできていないというところは棚に上げて、ここは実に素晴らしいと言っておこう。とりあえずscriptとplug-inは試しに片っ端からインストールしてみて……なんてことを始めてみたけど、あまりのplug-inの数に力尽きて中途半端なことに。それで、飽きてしまって作業途中で再起動している。トホホ。

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デフォルトで最初から何十種類もの文字セットがボタンひとつで選択出来る。絵文字でも何でも選び放題。ここではロヴァーシュ文字を選択する。しかし、しまったなぁplug-inを出鱈目にインストールしたせいでどこからが新機能なんだか、なんかあやふやなことになったぞ……まぁ、どれがいるかいらないかは後で見ることにして、とりあえずでplug-inやスクリプトを出鱈目にいろいろと試すのには敷居が低くはなっているんだけど。やりかたが逆だった。以前使ったものはともかくとして、他は1個づつインストールしながら試したほうがよかったよ、トホホ。まぁ、それでもインストールもアンインストールも楽なので、さいしょから全部インストールするよりも必要なものを作業に合わせて逐一セットするほうが楽そうだ……ということで、ここは一旦最初から仕切り直し……


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なんてことをやりながら、まぁ、一通り試して見たけど、パスのコントロールはかなり改善されていて、FontLab並みにオーバーラップを削除せずにコーナーコンポーネントの追加が可能になっていたりパスにコンポーネントを適用することが出来たりと、作業しながらリアルタイムに表示させると消費電力と計算能力を莫大に消費するという、どれだけCPUを酷使するつもりなのかという機能すらてんこ盛りだ。このあたりのところでは多分ユニバーサルアプリであれば本領発揮するだろうというところで、MacはもはやIntel Coreよりアホほど速くなったというApple Silicon Mシリーズに早く移行しろってぇ噺なのかもしれないけど、なんだろうなぁTSMC Fabに不穏な……いや、まぁ、ともかく、ただ、いろいろ理不尽なバグを潰しきれていない感じなのか、結構不安定になることがあって、さっきも……って、まぁ、この話もいいか、アップデートの通知がしょっちゅう届くので毎日細かく修正作業をしてくれているみたいだからそのうち修正されるだろうし……。

コーナーだけではなく、パスもコンポーネントするようになったので、こういう石にノミで彫ったようなグリフィックなデザイン……スタイルで言うとInscribedという文字で言えばオプティマやトレイジャン、アルバータスなんかの仲間ということになるのだけど、それで、その手のスタイルのフォント制作が楽になると思って下書きも殆どしないで作り始めたんだけど、やっぱり新機能なだけあって、こちらの予測と違った反応をするので……これだけで、作るというのは無理だった。結局途中から手作業してしまったので何のために新しいソフトをインストールしたのかわからなくなっている。

フォントのテストインストールの機能もデフォルトで追加はされてはいるけれど、キャッシュが出来るので、作りながら逐一確認するような用途にはあまり向かない。以前にも書いたけど、この辺りの作業はAdobeのfontフォルダに展開したほうがいい。とはいってもそれ以外のアプリで確認したい場合ではそうもいかないんだろうけど……OSのほうの事情があるのかも知れないけどキャッシュを作らないか、せめて上書きする前にキャッシュをクリアしてくれればいいんだけど、なんか他で問題が出るのだろうか? たしかその手のスクリプトをどっかにしまっておいたハズなんだけど……う〜ん、どこへ置いたかわからなくなっているな。

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Opentype futureはかなり自動化が効いているので大変便利。まぁ、ただ、このフォントの場合、想定外のことを始めてしまったのでいろいろと融通が利かない。ハンガリー語のLanguage System Tagの’HUN’ですら自動では振ってくれないので後で追加しておく必要はありそうだけど……それで、実はテスト出力してみるまでもなく最初からわかっていたことだったのだけど、殆どのアプリがロヴァーシュ文字の右横書きにも、ロヴァーシュ文字のキーボードにも対応していないので、まったく実用的ではない。それで発音が対応するラテン欧文の位置にグリフのコンポーネントをリンクして左右を反転して、ロヴァーシュ文字の左右横書きにリバーシブルに対応させ、ついでなのでおなじ発音のカタカナのところにもコンポーネントのリンクを貼って縦書きにも対応してしまう。アーとかキャ、キュ、キョとかは合字にしたので、これで、カタカナだけでハンガリー語が書けてしまうというフォントの出来上がり。ただ、まぁ、これで発音が合うのかどうかはよくわからないけど。

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縦組でもつかえる。

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左横書きにも対応。

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ユニコードにも対応。という感じ。わりとあまりなにも考えずに作業始めたけど、結構サクサク進んだので、これ、前のバージョンをゴリゴリ使っていた人ならバージョンアップはかなりお薦め。ただ、まだ微妙に不安定なところがあるのと、お財布との相談はあるだろけど、無料でも1カ月はお試しでつかえるので、それほど慌てる必要もないとは……なのだけど……まぁ、評価はあくまで個人的感想だからね。

さて、という感じ。それで、ここからこれをバリアブルにしていこう……というところだけど、今回もなんだかだらだらと長くなってきたので……続きはまたそのうち。






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