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English Roundhand Script

とりあえず、ナントカなりそうになってきたのでナンか作ってみることにした。こういうものは、まぁ一通りの手順をナントカやってみるというのが、まぁ例え上手くいかなくてもそれなりに学習することにはなるだろうという信条だ。まぁ、っつたぁ言ってもさあ闇雲にってわけにもいかないので一応計画は立ててある。以前から作ろうと思っていたイングリッシュラウンドハンドスクリプトを万難を排し、満を持して、捲土重来、ここに来て遂に……いや、そこまで気負った話ではないです。なんとなく気分だったので……これで。

この書体、カッパープレート体とも呼ばれるのだが、というか、こっちの呼び方のほうが一般的? かも。まぁ、それはともかく。この書体がカッパーのプレート。つまり銅の板ってことで、そう呼ばれるのは理由がある。過去銅版刷りの印刷物に多用され、版画と言えばこの書体なんてイメージがついたコトに由来する……とまぁそういうことらしい。従って同様の由来をもつ下のゴシックな書体もカッパープレートと呼ばれるのだから、まぁ、まずもってややこしい。カッパープレートといわれ何を想像するかはその人次第なのだ。
ちなみに、カリグラフィーよりのクリエーターの方がスクリプト、グラフィックよりの人のほうがゴシックを思い浮かべる……ような気もするのだけれどどうだろうか? 銅だけにね……って……いやなんでもありません。

個人的にはカッパープレート、つまり銅版画の書体と問われればこの下の書体のほうが……これもCopperplate なのだが、何かそんなヴィクトリアな感じ的イメージもあるのだけれど……。

で、まぁイメージなんてものは人それぞれということなんですが、モノを指す言葉が何でもありになるのは実に都合が悪い。これでは会話が成立しない。良質なコミュニケーションはビジネスのキモだよワトソン君。というわけで、そこにこそ、このイングリッシュラウンドハンドスクリプトが要請されたワケがあるのだ。うん、今回も結構飛ばし気味だなコレは。なんか話がとびすぎてよくわからない的な?……大丈夫、たいしたことは言っていない。というか、思いついたことを適当にしかいっていないので普通に読み飛ばしても問題ないって、もう何をいってるんだかよくわからないなホント。巷間ではnotoは何か「意識高い系」ツールみたいになっているっていわれているみたいだけれど、こっちは飛び抜けて意識低い系なので、ほんとうに適当なことしかいってないからね。もう、そのうち出てけっていわれそうだよ……。まぁそれはともかく……さてさて、前段の話ですが、え〜っと、何だったけホームズ? あ、そうそうコミュニケーションのキモ。というのは、このイングリッシュラウンドハンドスクリプト、その成り立ちについてなんだけど、この書体は17世紀の作家にしてカリグラファー、ジョン・アイレスらによる改革により誕生したと伝えられる。改革? いったい何を? まぁ、その話の核は次のとおり。


17世紀半ば、某国の当局者職員は実に悩ましげな問題を抱えていた。目の前にそびえ立つ巨大な山、様々な段階の技能と特殊かつ独善的。新たな美を絶え間なく求めるというその求道心。実に個性豊かで多彩な様式。最新の流行。様々な芸術性、しかして、その実にすばらしいテクニック、それらが惜しげも無く注ぎ込まれた結果。当局者職員らによるたゆまぬ努力にも関わらず、目の前に起立するその書類のことごとくは、ありとあらゆる解読技術を阻み、全くのままであったのだ。しかも、さらに都合の悪いことに、それらが解読されようがされまいが、おかまいなしに新たな書類は次々と押し寄せ「解読不能」の文章はどんどん積み上がり、もはや停まることを知らない。未決の書類はすでに限界をこえようとしている……いや、そもそもその書類の解読に意味はあるのか? 三日と二晩かけて解読されたその文章の中身のなさに、いままでの労力がまったく無意味なものだと悟ったときの虚脱と怒りを誰に向けるべきなのか? さて、その顛末やいかに! 全米が泣いたカリグラフロマンス今秋公開。って、すいません適当です。いや、ホントだけど暦つくるだけの地味なテーマも映画になるんだから字つくるだけの映画もあってもいいよね。いや、また適当です。すいません。

まぁ、それはともかく、てなワケで、近代化によって当局者的お仕事が増加するに従って、今までの前近代性が染みついた碌でもない不毛さに業を煮やしてというか……その、いかにも達筆。さらにディテールにも凝り、貴族的優雅さを纏い、美的かつ繊細に着飾ったその書類を仰々しく押戴く……てなことになっても、当局者職員の立場に立ってみれば読めなきゃ意味ないわけですから。しかし、こんなことでいままでどうやって仕事が成立していたのか不思議。まぁ、それもともかく、そういったことで欧州の先進諸国の間では、この富国強兵化を阻害するカリグラフの改革が急務になっていったのであった。って話なわけなんですが、まぁその後のいろいろ、こう、すったもんだの揚げ句……え〜と。いや、まあ、手っ取り早く教科書的に説明すると17〜8世紀のイギリスで完成、ビジネスの発達に伴い文書を効率的に扱う要請から急速に普及、と味も素っ気も無いことしか言えないんですが……いや、まぁ味や素っ気を求めるので、そこへ前近代が押し寄せてくるともいえるのだけれど。

取引文書をより早く、正確に、分かりやすくという要請は……まぁホント大事だ。で、まぁそういう経緯で誕生したというイングリッシュラウンドハンドスクリプトなワケで、まさに近代と合理主義萬歳な書体なわけなんですよホント。偉大なる世界の王、大英帝国による大発明。さぁ皆もイングリッシュラウンドハンドスクリプトにひれ伏すが良いっ……て、そこまで大袈裟な話でもないんだけれどね。なんていうか、ちょっと言ってみたかっただけ。

ということで、かの偉大なる皇帝トラヤヌスを讃えるために作られた格式高いトラジャンを帝国ローマを代表する書体だとすれば、イングリッシュラウンドハンドスクリプトとはまさに海賊ビジネスで世界を支配した、栄光の大英帝国を代表する書体といっても過言ではないのだぁ……って、まぁこれも個人的感想なんですが、まぁ、とにかく、そんな感じに思っているので、カッパープレートなどという間抜けな呼び方はどうにもいただけない。ここは正しくイングリッシュラウンドハンドスクリプトと呼びたまえ……って、上から目線に言いたいとこではあるのだけれど、実際イングリッシュラウンドハンドスクリプトってネーミングに華がないし、舌を嚙みそうに長い、カッパープレートでいいじゃんって気持ちもわからないではない。その結果、近代と合理主義を指向したはずの書体の呼び名が、オブジェクトを確定できない不条理で前近代的な呼び名になってしまっているのは、なんとも皮肉としかいいようがないのだけれど。

さて、まぁそういうことなのだが、実はこの書体、カリグラフィーの数多ある書体の中でもかなり高難度。難しいのレベルのかなり上のほうにいる。特に美しく早く正確に手書きするのはかなり困難……。っていったら信じる? いや、ホントそう言われました。カリグラフィー舐めんな的に説教されるパターンです。なので実際そのあたりも実に謎の不条理感を醸し出している。速度と効率の要請から誕生したはずなのに何故そんなことに……って感じだ……なんか日本的な凝り性で、なんでもかんでも道にしてしまうとかそういうことなのかぁ? って気にもなってくる。いや、まぁホントは違うってわかるけどさぁ……まぁただ個人的にはそういう場合は大抵、間口は広いが奥が深いってパターンだって認識することにしている。というわけで、まぁそのあたりも適当になんとかする。すいません、ホント真面目に筆記に取り組んでいる人達に聞かせたくない感じになりそうな予感しかしない。

いや、ほんと枕が長すぎてどうしようもない。本来のテーマからどんどんズレまくる。さて、とりあえずなんとか方向を修正しよう。まぁ、そんなこんなで、こいつを完成させる過程で、一通りのことが出来るようになる…という感じの目論見だ。何が? もちろんFontLab VIですよ。いや、もう殆ど忘れてたかもしれないけど。


さて、で、何もないところから始めるには、まず手で字を書くところからってのが……道理ではあるのだけれど、目玉焼きの作り方を説明するのにヒヨコの育て方からはじめるようなことになってしまうのもアレだし、個人的にも他人に教育可能なほどカリグラフィーに精通しているわけでもなんでもない。ぶっちゃけ55度でも53度でも…げfxん@ごホン……すいません、いやちゃんとします。大事ですもんね……いや、ホント。で、まぁミッチェルだぁスピードボールだのオブリークホルダーが云々みたいな感じの説明をしている間に、育てているヒヨコにいつのまにか鶏冠が生えてコケコッコーとかいいだしかねないので、はいはいカワイイ僕のチキンちゃ〜ん、いや、まて、目玉焼きの卵がいるんじゃなかったっけ? ダメじゃないかスティーブ!


用意するビットマップのサイズは、大きいにこしたことはないが、あまり大きすぎても逆に予期せずアーティファクトが拾われてろくなコトにならない。適度なサイズってのはある。HELPを読むと700ピクセル推奨って書いた後に2〜3インチの高さで300dpiってなっているので、まぁ、50mm〜76mmの枠の中にって感じか。ただ、72ポイントピクセルで1インチ。700ポイントだと9.72インチだから229、約30センチ……あれどっかで計算間違った? や、なんか根本的に理解に齟齬があるのか? う〜ん、まぁいいや。多分なにか忘れているよな……とりあえず気にしない。

さて、アートワークは上の図のフォーマットが扱える。画像ビットマップはTIFF、JPEG、BMP、GIF、PNGとメジャーなものはだいたいOK、WindowsやMacのアイコンファイルが読める他、変わったところだとxpmとかもある。まぁフォーマットさえ問題なければクリップボード経由でアウトラインでもビットマップも扱えるから、そのへんはまぁいろいろ気にしなくても大丈夫。ただ、Illustratorのアウトラインを扱う場合は古い形式で保存する必要がある。まぁ、新しい機能が必要になることってあったっけ? HELPにはAI3推奨ってなってるからこういうのは素直に従う。ここで意地を張ってもしょうがない。が、しかし、今回はまずビットマップの扱いから。

さて、下書き的なモノを用意したら、一文字づつばらして個別に読み込んでもいいんだけれど、もうちょっと効率的な方法もある。FontLabでこういった下書き的データの扱いは、スケッチボードを介するのが肝要だ。本当はスケッチボードの解説から始めた方が良かったか? う〜ん、まぁそうだよなぁ。ざっくり説明するとFontLabではグリフ描画画面とは別に、仮想のキャンバスを持っていてそこでアートワークやイメージの編集ができたりするようなことになっている。まぁだから、逆に、それを利用する形、たとえばFontLabの曲線大好きツールや、ツンニー線を駆使してロゴの骨格を効率よく仕上げてからイラレにコピペして完成させる的な? まぁ、そんな使い方もできるし、なんだったらそこで仕上げてPDFで……あああ、また脱線しているよ。ちょっと、収拾がつかないか…一旦整理しよう。スケッチボードの説明は次にするとして、手順を拾おう。開いていればスケッチボードに移動する。そうでなければWindowメニューの下の方にあるOpen Sketchboard。

でここスケッチボードに、コピペするのが一番簡単なのだが、もちろんファイルを指定して開くことも出来る。

このとき、上の図のようにスケッチボードに前回の落書きが残っていた場合先にWindowメニューでClear Sketchboardしておく。取っておきたい落書があったりした場合、FileメニューのExportからのWindow Contents...でpdfかsvgに書き出せる。もちろん1個づつ選んで個別に始末してからでも、ほったらかしでもご自由に。で、画像読み込み。本来ならポインテットペンを縦横無尽に扱って格好よく……って画像が良かったんだけど……無理…の結果、なんだかお手本の上を手書きサインペンでなぞってる感に……せめて定規使えよって突っ込みたくなる惨憺たる様子。まぁこの辺はどうにも締まらない。

まぁ、次からちょっと派手な展開にしていくのだけれど、ちょっと休憩。いや、ほんと枕長すぎたわ今回。あと、作業開始前にいろいろ準備することもあるしなぁ。ホントは上のメニューのFileからのNew Font...でのFile、Font Info...ってのの説明もまだだし……。ん〜〜というわけで、予告しておいてなんですが、次回は次回の風が吹きます。ごきげんよう。






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