スクリーンショット_2018-11-11_21

納得出来ない小文字のr

そういやぁなんでscriptなんて作りたいと思ったんだっけ、最近のトレンドだし、まぁ別の機会にでもやるけど、いろいろ環境が整ってきて昔よりはスクリプト系のフォント作成に制約がなくなってきたってわけもあったりするんだけど、ん〜、そうだよな、まぁ、なんだ、その一般的なsans serifなフォントと違って、scriptって、こう、他人の作ったモノだと、ラインが微妙にニュアンスが違ってどうもしっくりこない感じがある、とか、そういうことも理由の1つではある。まぁそんな感じ。copperplateの教則本も、結構バラバラ。そもそも筆記体なんだから百人いれば百書体あってもおかしくない。そんなもんだと言われれば、まぁそのとおりではあるのですがね……。例えば下の図。素人見でわかるほどバラツキがあるがフォント名にRoundhandとかcopperplateとか名乗っていたりするものもあるのだがそうじゃないほうがRoundhandぽかったりするのでややこしい。

ヘルベチカとかユニバースとかガラモンドとかボドニーって名乗っていたらここまでぶれた感じにはならないんじゃないかな。小文字のfだけ見ると別の書体なんだが受ける印象はEnglish 157のほうが繋ぐ線が太い感じ以外はRoundhand BTよりRoundhandっぽい。いや、そもそもRoundhandらしさって何だってはなしもあるのですけれど……。まぁ、だった自分で線引けばぁ……ってことで、これがクラフトビルーならぬクラフトフォント。もっともガッキーみたいに可愛くはならないんですけど。

というわけで、色々違っていて、全部一緒にするのもなんなんだけれど、一応全部お仲間です。といっても、パット見はまぁ似たような感じ。それでもフォント好きに「ここのアセンダのハイトがどう」だの、「ニックからアーチへの接続の高さが微妙に」とか「このSのカウンタの空間がどうのこうの」って説明してもらう必要がないほどには違っている。なんだかんだいっても実際データになった時点でシステム的な制約からカリグラファーに言わせれば所詮なんちゃって筆記体、スクリプトもどきでしかないのだが。プロのデザイナーなら、文字組み見本だって割り切ってアウトラインを手書きしろって怒られちゃうレベル。まぁモンセン、トレスコからの切り貼りアンド、ロットリング修正並みに手間がかかることをしなさいってことなんだけど……え? 何言ってるかわからない、いや、まぁ、タダの呪文ですよコレ。

まぁ昭和の話はともかく、閑話休題。さて、そもそも筆記体ってのは対応するブロック体の書体を書き殴りやすいようにするために崩していったため、文字の種類によっては、なんでこんな形になってるのというモノが実際結構ある。なかには小文字のrと大文字のGは納得出来ないとして頑として譲らない人もいる……まぁここではそんな思想信条に介入するつもりはないので譲らない人に納得してもらう必要はないのだが、いろいろごちゃごちゃ書くより絵にした方がわかりやすいので、下は小文字のrは、まぁこんなふうになっていますよって図。

要は筆記体なので次の文字に上手く繋げたいが、最後をエックスハイトの上まで跳ね上げてしまうと次に繋げるときに字間がだらっと間延びするので、それよりは跳ね上げた上から直ぐに次の文字の頭にぶつける方が横方向の圧縮が効いていいって感じになるので、例外的にそういった場合は大文字のRを半分にぶった切った形のハーフアールで代用してもいいよ〜んってなってたんだけれど、多分そんなことやってるうちに、おなじ文字に違う形が有るのが面倒になって、もう全部ハーフアールでいいじゃん、ってなっちゃった……的な感じ? いや、想像ですけど、まぁだいたいあってる……よね? 

そういえば、bもbでなんでこの形かってのもあるんだけど、こっちはまだなんとなく原型は留めている。但し注意を怠ると、すぐに下の図の一番下のようになってしまったりはする。まぁもっともこれはこれでbっぽく見えたりするところが厄介さんだ。ほぼほぼ原型の意図を無視しているにも関わらず意図せずbとして認識されてしまうというのは、精神衛生上好ましからざる事態が進行しているのではないかというような気にはさせられる。こういうのを端的に言えばクソ●×……って、いやまぁ何でも無いです。

このように、一見すると形が変なのに、まぁまぁ成り立ちは理解出来るという感じの代表選手はsなのだが、ただし当然こちらも油断は禁物だ。最終的に⊿みたいな三角をsだって言い張ってしまうパターンは、よくある。まぁわかれば良いといえば良いのだが、もともと前後の文字に繋げるための線が、いつのまにか文字の骨格になってしまっている。まぁ書いているうちにおかしくなっていくというパターンでもある。

書いているうちにおかしくなってしまうといったら、小文字のeにも言える。っていうか、その代表例といってもいい。もともとは繋げる線と文字の骨格には明確な区別があったのだが、もう全部面倒くさくなった結果下の図のように書き順すら変わってフリーダイヤルマークになってしまっている。

まぁ、こと、このように筆記体のあらゆる悪徳の起源はroundhandに由来すると言っても過言ではない。というのも、前にも書いたけど このEnglish roundhandのそもそもの目標に書字の統一ということもあるので当然のこととしてこの書体の教科書が作られ大量に配られることになる。銅版たるの面目躍如、プリンテッドバイカッパープレート、まさに残念リアン。いや、まあ、また何の洒落なんだかわからないな……まぁとにかくそういう状態なので、以降、筆記体のデザインベースに大きく影響を与えることとなったというのは想像に難くない。しかし、あまりにも大量に作られたため、かえっていろいろごちゃごちゃしてきてよくわからない感じもある。しかも、カリグラフィー技術は連綿と伝えられていたというよりは、ある時期にロストテクノロジー化したものを復活させたりもしているというような事情もあり、冒頭の図に戻るけど、まさにそんなふう、どれが正解とか絶対とか、そんなことを求め出すといつの間にか五里霧中。霧の都ロンデニウムへようこそ、って感じ。

というわけで、長々色々書いてますがいつも通りに適当な感じですよ。いつの間にかウォーズマン理論になってたりするので、ホント注意して下さいね。ホント今回は雑談しかしていない。

というわけで、Fundamental_Bの仲間。これだけでも他のRoundhandとだいぶ印象が変わる。まぁbとoは、やり過ぎなのでここはもう少しおさえることにするけど。またまた雑談が長すぎたので制作工程は以下次号。ってことで……。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?