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多職種Gルート公認心理師の方に向けたお勧めの心理師生活

多職種Gルートで資格取得された方の困りごとを伺ったところ,以下の3つにカテゴライズできましたので,私見になりますがお勧めの学習方法をご紹介いたします。また,心理師として仕事をする際のお勧めの領域も併せてご紹介いたします٩( ᐛ )و


Gルート受験とは?

公認心理師国家試験Gルートは,公認心理師養成課程設置前に大学・大学院を卒業した人,またはすでに心理職として働いている人のための特別ルートです。Gルートは,2017年から2022年まで実施されている特例措置で、実務経験が5年以上あり,現行の実務者研修を修了した者が公認心理師試験を受験することができました。

Gルートで受験した人の困りごと

  • カウンセリングを行うにあたり,必要な知識をどのように入手したら良いかわからない。

  • カウンセリングに必要な知識は書籍やセミナーから得ることができることがわかったが,どこから手をつけて良いのかわからない。

  • 書籍やセミナーから知識を入手したが,どのように練習したら良いかわからない。

上記の困りごとを解決する方法をご紹介いたします!

カウンセリングを行うにあたり,必要な知識をどのように入手したら良いかわからない。

カウンセリングとは以下のように定義されています。

クライエントや患者が困っていることや悩んでいることを専門家との会話や対話を通して解決または自己受容あるいは自己変容していくもの。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-088.html

一口にカウンセリングと言っても,精神分析,認知行動療法,来談者中心療法など,様々な学派が存在し,目的やアプローチが異なっています。このnoteでは,問題解決を目的とした認知行動療法ついて解説していきます。
認知行動療法を行うにはどのように学習を進めていけば良いか,また認知行動療法を行う際に必要な周辺知識にはどのようなものがあるか等をご紹介いたします。

方法1:書籍から知識を入手する

Amazonで認知行動療法と検索すると,様々な書籍がヒットします。心理師向けに書かれたテキストと当事者向けに書かれたテキストにわけることができます。心理師向けに書かれたテキストから読んでいく方法もありますが,最初に当事者向けのテキストから読むと,心理師向けテキストを読んだ際に理解がスムーズになるかも知れません。当事者向けのテキストは平易な言葉で記述してあり,難しい知識はカットしてある傾向にあります。これから当事者向けのお勧めの書籍をご紹介していきますが,その前に押さえておくべき大事なポイントがありますので,そちらを先にご紹介します。

あなたがやりたいのは認知療法?行動療法?

認知行動療法とは,単体の心理支援方法ではなく,認知療法と行動療法という,まったく別々の心理支援方法を組み合わせたものを指しています。認知療法とは,アーロン・ベックという一人の天才が創始した心理支援方法で,行動療法とは,様々な実験から導き出された行動の原理を臨床応用したものであり,特定の創始者はいないとされています。
認知療法と行動療法の大きな違いは,介入のターゲットが認知(考え方のパターン)なのか行動(生活パターン)なのかという点です。また,認知療法と行動療法は困りごとを捉える枠組みが異なります。
認知行動療法は,2つの理論をモザイク的に組み合わせた心理支援方法なので,状況に合わせて認知療法を使うか,行動療法を使うかの使い分けができることが一番良いのですが,最初からどちらもできるように学習を進めると混乱してしまうことが懸念されます。まずは,自分が学習していてワクワクする方から始めてみると良いかも知れません(著者は行動療法を中心とした認知行動療法を行っています)。

以下の書籍は,認知行動療法の歴史的な背景や,認知療法の専門家,行動療法の専門家がそれぞれの視点から学習方法が書かれています。

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