禍話リライト「とんぼ玉」【怪談手帖】
数十年前の夏の夜のこと。
当時小学生だったDさん達は、友達同士で連れ立って近所の墓地で「人魂狩り」を行ったのだという。
墓地といっても家のご先祖様が入るようなものではなく、所謂無縁仏を弔ったような所だった。
そこに、夜ごと人魂の群れが色とりどりの火で迷い出る。
いつのまにか、そんな噂が立つようになっていた。
たまたま近くを通って肝を冷やしたという酒屋のおやじの話を盗み聞くや、Dさんを含めた悪童達は次の日の晩には作戦を決行した。
家を抜け出した彼らは、手に手に虫取り網を持ち、