禍話リライト【怪談手帖「花氷」】
懐かしい夏の風物詩として、花氷を挙げる人はそれなりに多いようだ。
様々な花を中に入れて凍らせた、円筒形や長方形の氷の塊のことである。
昭和から平成にかけては、主に百貨店やレストラン、レジャー施設などで見られ、見た目に美しいだけでなく、冷房設備の不在を補う幾ばくかの涼をも提供していた。
ボクは子供の頃に、遊園地の片隅に並んでいたのを眺めた記憶がある。
今でも夏になればイベントなどで見られるようだが、昔ほどその機会は多くないらしい。
Cさんのその夏の記憶も、未だ昭和の薫りの濃い平