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余寒の怪談手帖 リライト集

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怪談手帖が大好きすぎて〈未満〉も含め、色々な方のリライトをまとめてしまいました。 原作者・余寒様の制作された書籍、「禍話叢書・壱 余寒の怪談帖」「禍話叢書・弐 余寒の怪談帖 二」…
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2023年4月の記事一覧

禍話リライト 怪談手帖『ルドンの沼の花』

十年ほど前。Aさんが四十代の頃の、ある夏の話だという。 厄介な大きな仕事が片付いて、週の終わり、彼は久しぶりに図書館へと赴いた。 鮮やかな印刷でピカピカに光る新刊や幾つかの雑誌を漁った後、のびのびとした気持ちが高じて、普段赴かない『美術』の棚へ足を運んだ。 「……あのぅ、取引相手が西洋の画家が好きって話してたんですよ。 で、その人の話し方が上手くって。なんかすごく魅力的だったんで……」 背表紙を眺めながら無作為に選んだ大盤の画集で、知らない画家の絵を眺めるのはなかなか面