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……これはいわゆる『怪談』と言っていいものか。実際のところ、かなり怪しい話である。 ただ、僕(怪談手帖の提供者である余寒さん)が収集した中でも、 『天狗』 というものについて、珍しいアプローチがされている体験談であり、僕自身、話者の方からの聴収において寒気のするような一瞬を味わったので、ここに紹介しておきたい。 世間に災禍が蔓延するよりも前のことである。 「……こういうのって、夢の話でもいいんだっけ?」 図書館横にある談話スペースで、友人伝てに紹介して