【怖い話】マスク大家族【「禍話」リライト40】
幽霊や怪異の出てこない、少し寂しくなるような話である。
Uさんは学生時代、古いアパートに住んでいたそうだ。
「そこがボロいところでねぇ。まぁ住むだけなら困らないし、汚いわけではないんですけど……」
古く狭いひと部屋に、家具や家電や布団を置くのである。まっとうな独り暮らしとしてギリギリな広さだった。
もちろん壁も薄い。左右の部屋の音もよく聞こえたし、上の階の生活音まで聞こえるくらいだったという。
大学から近かったせいかたまに友達を呼んで酒を飲んだりした。だが騒ぐと近