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AOE2DE 3月新DLC「#勝者と敗者」キャンペーン概要(3)後編 コンスタンティノープルの陥落

今月リリース予定の新DLC、「勝者と敗者」からコンスタンティノープルの陥落を扱ったシナリオ2本の特集です。前編はこちら


アナトリア前史

本題に入る前に、関連するシナリオを幾つか紹介します。

1302年 バフェウス

文明: オスマン帝国。「歴史上の戦い」の単発シナリオで、オスマン部族国家の黎明期に諸勢力と連携してビザンティン軍の撃破を目指すものです。イェニチェリももちろん強力ですが、時代的には弓騎兵で勝ちたいところ。

ティムール(1370-1402)

文明: タタール。ラストハーン拡張パックで登場したキャンペーンで、タタールの英雄ティムール(1336-1445。英語名はTamerlane)を扱ったシナリオです。詳細は割愛しますが、彼の征服行によってオスマン部族国家は(も)滅亡寸前まで追い詰められました。そこからの再起が、後のオスマン帝国の樹立に繋がるのだから皮肉なものです。

それでは新DLCキャンペーンシナリオを紹介していきましょう。

1453年 メフメト2世

文明: オスマン帝国 難易度: 中
原題のFetihはトルコ語で「征服者」の意。オスマン帝国のメフメト2世(1432-1481)は、難攻不落といわれたコンスタンティノープルを征服してビザンツ帝国を滅ぼしたためこう尊称されます。カスタムキャンペーンRise of the Ottomansの6戦目を独立させたものと予想。フンアッティラの時代(443年頃)にもコンスタンティノープル攻囲シナリオ(3戦目)はありましたが、当時とは段違いに強化された城壁の突破には流石の帝王トルコ軍でも苦戦することでしょう。

次項の「コンスタンティヌス11世」と対になるシナリオでもあります。

1453年 コンスタンティヌス11世

文明: ビザンティン 難易度: 高
新DLCの目玉となるシナリオの一つ。カスタムキャンペーンでのタイトルはThe Last Romans、「最後のローマ人」。25周年のライブ配信でチラ見えした情報によれば、人口上限500人。農民はスタート時から増やせないものの、資源を集め、海軍(+漁船)を出し、6月1日までハギア・ソフィアを防衛しつつ生き延びる……というシナリオになりそう。条件を達成すればジェノヴァ石弓を傭兵として味方に加えることもできる。間違いなくドM向けです。

AOE2の25周年配信でのテストプレイの様子。難易度はかなり高そう

その後の中近東・東地中海世界

コンスタンティノープルの陥落前後を扱ったシナリオに、「ヴラド・ドラキュラ」があります。

ヴラド・ドラキュラ(1448-1477)

文明: オスマン帝国マジャールスラヴ。コンスタンティノープル陥落前夜、オスマン帝国は既にボスフォラス海峡の対岸まで支配下に置いていました。ヴラド・ツェペシュ(1431-1476)のワラキアも半ばオスマン帝国の属国でしたが、1460年に貢納金を拒否したことから凄惨な抵抗戦争が始まります。全盛期のオスマン・トルコを相手に戦えるもう一つのシナリオなので、未プレイの方はぜひチャレンジしてみては。

オスマン覇権の終焉へ

さてビザンティンをついに滅ぼしたオスマン帝国でしたが、大帝国の勢威にも翳りが見えていきます。旧ペルシア領域ではイスマイル1世(1487-1524)がサファヴィー朝ペルシアを興しており、紆余曲折はあったものの現イランにつながる国家領域を確保しました。DLC「山中の王族」のキャンペーンシナリオ、イスマイル(1499-1524)は彼の戦いを扱ったものです。
海上覇権も長くは続きませんでした。「歴史上の戦い」1571年 レパントのモチーフになった海戦で、スペインやヴェネツィアといった西欧諸国の連合艦隊がオスマン帝国の艦隊を撃破。

さらに大航海時代の本格化で、帝国領を迂回した海上交易ルートが確立。人流・物流が停滞したオスマン帝国の科学技術や経済は次第に衰退に向かいます。様々な矛盾や旧弊を抱えながらも、オスマン帝国は20世紀初頭まで長く命脈を保ちました。しかし、崩壊時に現トルコ、シリア、ヨルダン、イラク、サウジアラビア、エジプト……といった民族国家群に分かれただけでなく、第二次世界大戦後にイスラエルが建国されたことは現在に続くパレスチナ問題など禍根を残しました。大帝国の崩壊後というのは、悩みの尽きないものですね。

次回で最終回となります。
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