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有限会社ヤマチョウ 長井洋将さん

鹿児島県の南さつま市・笠沙(かささ)町。
美しいリアス式海岸沿いに位置し、周囲をのどかな緑に囲まれた、ゆっくりと時間が流れる癒しの町です。

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今回の主人公は、そんな素敵な地で魚屋を営む“よかにせ”(鹿児島弁で「いい男」という意味)の

有限会社 ヤマチョウ
長井 洋将(ながい・ひろゆき)さん  
です!!

長井さんのこれまでの人生、仕事、心情etc...
たっぷりご紹介いたします。
案内人は、UONTEDインターン生「にしし」です。よろしくお願いします。

1.自称「魚嫌い」、魚屋の道へ。

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「福祉」に興味を持っており、人の役に立つ仕事をしたいと考えていた長井さん。もともとは魚屋ではなく、航空自衛隊の事務職に就いていました。しかし、兄の誘いもあり、家業である魚屋の道に。当然、これまで魚屋の仕事を経験してこなかった長井さんにとっては苦しい道のりのスタートとなりました。

まずは、魚の名前を覚え、
次に、目利や魚の値段の付け方を学び、
そして、魚にあった食べ方を考え・・・。
それはそれは、大変な道のりでした。

そんな中でも特に困ったことが。。。↓↓↓

「魚嫌い」(自称?)だったこと!

魚屋をする長井さんにとってこれはかなりの致命傷ですよね(汗)

しかし、そんな長井さんを変えてくれたのは、
地元、南さつま市・笠沙で獲れる海の恵たちでした。
魚の匂いがダメだった長井さんは、地元で水揚げされたばかりの魚たちを食べて驚きます。新鮮な魚たちは、魚嫌いの長井さんも食べられるほどに臭みがなく、大変美味しかったのです!!
こうして長井さんは、地元の海で獲れる魚たちの魅力にとりつき、この美味しさをお客様に届け、幸せになって欲しいと思うようになったのでした。そして、そんな幸せを届けることのできるこの職も、ある種ひとつの「福祉」だと考え、今日も長井さんは「魚」と「お客さん」に向き合うのでした。

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↑町の穏やかな朝とは反対に、朝から活気のある市場。

2.南の海の魅力

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南さつま市の海は、「東シナ海」といって、日本本土の中でもかなり南に位置する海域です。そんな南の海の魅力を長井さんに聞きました。

⑴豊富な魚種
上の写真からもわかるように、南の海ではたくさんの魚種が水揚げされます。これは寒い方の海にはない特徴のひとつ。小さくてカラフルな魚たちから、サメやカジキといった大きな魚たちまで勢揃いです!

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↑もちろんお馴染みの魚たちも並びます。

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↑鹿児島県の秋のプライドフィッシュに認定されている「秋太郎」!
正式名称:「バショウカジキ」君たち!

⑵たくさんの定置網船
比較的小さめの漁港ではありながら、この規模ではかなり多いという定置網船!南さつま市の豊かな海があってこそです!

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↑笠沙の特徴的な競りの様子。値段を書き込んだ木札のパチンパチンという音が鳴り響きます。

3.お客様に寄り添う 〜「絶対」という考えを持たない〜

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長井さんに“こだわり”を聞いたところ、

一番は、「絶対にこうしないといけない」というのを持っていないことですね。

と話されました。
そして、続けて・・・

こういう風に売りたい!こういう風に食べて欲しい!
という思いはもちろんあります。
でも、結局大事なことは、
「消費者がどんな風に、どんなものが欲しいか。」ということです。
その日の魚の状態や仕入れの状況によっては、必ずしもお客様の欲しいものには一致しない。だからこそお客様の声に可能な限り耳を傾け、商品について正直かつ丁寧にお客様に提案するようにしています。
なので、最大のこだわりは、
『消費者のことを一番に考えている』
ということです!!(笑)

このように、長井さんは笑顔で話されていました。
まさしく長井さんの素敵な人柄が溢れる話です。

4.常に前進!田舎から新たな取り組みを!

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取材中に店内の冷蔵庫を覗き込むと、何やら面白いものを発見!!(写真:上)
どうやら現在、「深海魚の有効活用法」について、南さつま市の水産関係の方々と模索中らしいです!
(魚好きの僕にとっては、この干物で十分興奮しますよ...)

そして、ヤマチョウさんでは他にも・・・

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なかなか加工品としては見かけない魚種の惣菜を取り揃えています!
とっても面白いですよね♪そして美味しそう・・・。

実はこれ、元々は売れ残ってしまう魚がダメになっていく様子を見て「もったいない」という思いから製造し始めた商品だそうです。
とは言いつつ、もちろん鮮度も決して悪くなく、日によって中身の魚種も変わっていくので、お店にきた際はぜひ一度在庫を覗いてみると良いでしょう。もしかすると、素敵な魚に出会えるかも!?

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↑「かささの生ハム」
▶︎漁師が作る生ハムなんだそうです!もちろん魚で作られています!贈り物に喜ばれそうですよね。

5.地域の魚屋が描く未来

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笠沙で自営店も構えているヤマチョウさん。
店頭に自慢の地魚を並べていると、

「すごい新鮮だね!どこで獲れるの?」
「こんな魚どうやって獲るの?」

といった質問が来るそう。
この質問をきっかけに、長井さんは地元の魅力を漁業から伝えます。
そして話を聞き、嬉しそうに魚を持って帰られるお客さん。
長井さんその瞬間を見るために今日も魚屋として仕事をしています。

そんな長井さんに、ヤマチョウとしてこれからやっていきたいことについて尋ねてみました。

やはり、田舎では高齢化が進んでいます。それに伴って働き手がいなくなり、農業や漁業などといった仕事をやめてしまうなんてことも少なくありません。でもそんな田舎だからこそ、たくさんのチャンスがあります。例えば、現在サラリーマンをしている方がいれば、今よりもっと稼げるなんてこともあります。

僕は、そんな田舎ならではの可能性を発信し、今の「魚屋」という仕事でそれを実際に証明していきたいですよね。

若い人が住みたいと思えるような地域づくりの一端を、ヤマチョウが担っていきたいです!!

地域のため・お客様のために働く長井さんの姿は最高にキラキラしていました。

読者の皆様もぜひ、のどかな町・笠沙にあるヤマチョウを訪れてみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それでは、またお会いしましょう!

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有限会社 ヤマチョウ

住所:鹿児島県南さつま市笠沙町赤生木346-31
TEL:0993-63-1300
HP :  http://yamacho-kasasa.jp/

運営会社:株式会社咲弥

サービス:UONTED(ウォンテッド)

MAIL:info@sakuya-corporation.com

TEL:0557-52-4200

お問い合わせ:https://sakuya-corporation.com/contact

※株式会社咲弥UONTEDでは、日本各地の水産業界で活躍する方を取材させていただき、日本の水産業を応援いたします!
取材のご要望等ありましたら、お手数ではありますが上記記載のところまでご連絡よろしくお願いいたします。